きおくさがし




朝目覚めると、なんだか屯所内は騒がしかった。

部屋を出て、土方さんを探す。


「おはようございます。」

「いちごちゃーん!おはよう!」

「あれ?なんで銀さんがここに?」

「会いたくて来ちゃったー!」


なるほど。だから土方さんの顔があんなに怖いのか。

沖田さんはニコニコしながら嬉しそうに土方さんを見てるけど。


「屯所内に勝手に入ってくるな!」

「いやー、俺も記憶探すお手伝いをしてあげたくてー。おい、ジミー。お茶とかないわけ?あと、甘い物ね。」

「ジミーってなんだよ!地味だからか?!」

「手伝いなんかいらねーって言ってんだろ!」

「だって、多串くん忙しそうじゃん?」

「多串じゃねぇって何回言えばわかるんだよ!お前は!」


できることなら、この場から去りたい。


「銀さん、」

「どうした?」

「真選組のみなさん、お仕事で忙しいみたいなので、外に行きませんか?」

「はーい!」

「お、おい。」

「土方さん、記憶探すのは、銀さんにお願いします。なので、真選組のみなさんは、お仕事に集中してください。」

「そうかよ。」

「??」


良かれと思って言ったのに、土方さんは不機嫌そうに、この場を去ってしまった。

沖田さんは、ニッコリしながら、私を見る。


「可哀想なこと、言いますねィ。」

「え、私は、ただ………お仕事の邪魔したくなかったから……。」

「今度、土方さんを尾行してみな。」

「そんなこといいから、早くいこ!いちごちゃん!」

「あ、はい!」


銀さんに、腕を引かれ、屯所を出た。

土方さんを尾行って。
そんなことして、バレたら怒られるんじゃないだろうか。


「何か、手がかりとかねーかなー。」

「手がかり?」

「今んとこ、わかるのは、自分の名前と、年齢、血液型くらいだろ?」

「そうですね。」

「それだけじゃあなぁ。」

「家族とかも、わかんねーの?」

「家族?そういえば、弟がいた気がするんです。確かかどうかはわからないのですが。」

「弟ねぇ、」

「でもほんとに、いた気がするだけなんで。すいません、覚えてなくて。」

「いやいや、覚えてねぇなら仕方ねぇよ。」


でも、私は違う世界からきたから、ここで記憶が戻るなんてこと、あるのかな。


「………どうして、私は、」


死んでしまったんだろう。


「おい、ボーッとしてると、危ねーぞ。」

「あ、すいません。」

「まあ、ゆっくり思い出していけばいいんじゃねーの?」

「そうですね。」


でも、私、いつまでここの世界にいれるのだろうか。

真実を知ってしまった時、私は、どうなってしまうのかな。


「とりあえず今日は、あそこの団子食って帰ろうぜ!」

「銀さんって甘い物好きなんですね」

「甘党だからなー」

「糖尿病になりますよ?」

「大丈夫だから。まだなってないから。糖尿寸前だから。セーフなの。」

「いや、それやばいですよ」


結局、今日は、団子を食べ、グダグダ散歩しながら話して終わった。

まだまだ記憶は戻りそうもない。





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