びこうしました



「よし。」


今日は気合いを入れて、土方さんを尾行しようと思います。

昨日、沖田さんに「尾行してみればわかりやす。」と言われたので、バレたら怒られる覚悟で尾行しようと思います。

服は、セーラー服しかないから、仕方なくこれで行く。目立つけど。


「土方さん相変わらず歩きタバコしてるんだなあ…警察なのに。」


どっからどう見ても警察には見えないんだけど…。
歩きタバコはダメでしょー。
怖いから注意できないけど。


「ん?何やってんだろ。」


何やら土方さんの手には写真?
何かを聞いてるみたい。

あ、昨日銀さんといった団子屋さんの店員さんになんか聞いてる。

行方不明の人でも探してるとか?


「あ、あの*………」


土方さんが見えなくなったところで、団子屋さんに入り、店員さんに声をかける。


「さっき、副長さんが話にきたと思うんですけど、」

「あー、昨日の可愛い子だねぇ。いらっしゃい。」

「何を話していたんですか?」

「あなたのことよ?」

「え?!」


驚いて思わず大きい声をあげてしまった。

え、私のこと?なんで?


「あなたの写真を持って、見たことや知ってることがあれば教えてくれって。」

「土方さん………」

「何件もまわってるみたいだったわよ。」

「そうなんですか…。ありがとうございました。」


土方さん、1人で私のこと、調べてくれてたんだ。

でも、私は、違う世界からきた人間だから、ここには何も無い。

無駄なことさせてるだけだ。


「話すしかない、か。」


溜息を吐き、呟いた。


「何をだ。」

「え?!」


振り向くと土方さんがいた。


「下手な尾行しやがって。」

「バレてたんですか!」

「逆にそんな格好でよく尾行しようと思ったな。」

「だって、これしかないんですもん。」

「遅くなって悪かったな。」


ほらよ、と渡された紙袋を受け取る。


「なんですか?これ。」

「ずっとその格好も困るだろ」


紙袋の中身をみると、何着か着物が入っていた。
髪飾りとかもある。

どれも可愛い。


「これ、私に?」

「他に誰がいるんだよ。」

「ありがとうございます…。でも私、返すお金がないんです。だから受け取れません。」

「金のことは気にするな。」

「困ります。」

「プレゼント」

「え?」

「ってことにすればいいだろ。せっかく買ったんだから着ろ。」

「でも、」

「副長命令だ。」


意地悪な笑みを見せる土方さん。


「はい、ありがたくいただきます。」


これじゃ、断れないじゃないか。




-


- 9 -

*前次#


ページ:



ALICE+