いねむりこねこ
「寝癖、ついてるよ」
貘さんの手が私の頭を優しく撫でて、ぼんやりとした眼でそれを見つめた。
昼寝から目覚めた午後2時、カーテン越しの光が銀髪を美しく輝かせる。指先を絡めるようにして髪の毛を弄ぶのを、寝転んだままで受け入れた。
「まだ眠い?」
「ん、少し」
広いベッドは2人で乗ってもまた十分すぎるほどスペースが余っている。ベッドサイドに腰掛けていた貘さんはゆっくりと私の横に寝転んだ。
嗅ぎ慣れたシダーウッドの香りが鼻腔をくすぐる。その奥の貘さんの香りに安心して、また瞼が重くなった。すり寄ってくっつけたおでこが暖かくなる。ゆったりとした手付きで抱きしめる腕はゆっくりと私を惰眠へと誘う。
「ね、また寝ちゃうの?」
「だって、くっつくと眠い」
「なまえちゃん、無防備すぎるよ」
音を立てて頬にキスされた。無防備すぎると言われても、こんなに暖かくて安心できて大好きな人がそばにいるんだから、眠くなるのは仕方ないじゃないか。
腕の中ですりすりとすれば、耳元で「かわいいね」と囁かれて嬉しくなる。貘さんにそう言われるのは照れるけど、本当に嬉しい。
「大きい猫ちゃんみたい」
「そうですねこちゃんです」
「もうかなり眠いでしょ? ……俺もちょっと昼寝しようかな」
「んー、ねよ」
「はいはい、寝ようね」
また頭を撫でられる。きっとまたぴょんぴょんと寝癖がついちゃうんだろうけど、起きたらまた手櫛で直してもらおう。