新規客@ガレス
急遽仕事が入った俺は、昨日作った肉じゃがを急いで食べて支度をしていた。支度と言っても浣腸はもう終わっているから、尻穴にローションを打ち込むだけだ。
チューブから中にローションを注いでいると、家の扉がノックされた。夜も更けているのに誰だ?と思った俺は、何とか尻穴を締めて中身が出ないように気をつける。
「ーーはい?」
「久しいな、また来てやったぞ」
「………」
「…おい、なぜ閉めようとする」
ドヤ顔のガレスさんがいた。
見なかった事にしようと扉を閉めようとするが、がっつり扉を押さえられて、俺は溜息をついて扉から手を離した。
…居留守を使えば良かった。
「何の用ですか。もうお金は貰ったし、用はないでしょう」
「見回りでたまたま近くを通ったのでな…こんな質素なアパートに住んでる貴様がちゃんと生きているか確かめに来たんだ」
「……とか言って、ご飯ねだりに来たんじゃないでしょうね」
ムッと口を結んだガレスさんを見て、俺は数日前を思い出す。
実は金を返しに来たガレスさんはさっさと帰らず、飯を要求してきたのだ。しつこいガレスさんに俺は簡単に作ったオムライスを食わせて、無理やり思い出した。どうやらまた飯目当てらしい。
「…おい、早く中に入れろ」
「嫌です、帰ってください」
「普通中に入れて茶ぐらい出すだろう!?」
「知りません!戻ってちゃんと仕事してください」
「庶民が私に指図するな、早く入れろ!」
この争いはお隣さんに怒鳴られるまで続いた。
*
「この肉じゃがもなかなかいけるではないか」
「……はぁ」
結局折れたのは俺で、ガレスさんは肉じゃがを美味そうに食べている。肉じゃが+味噌汁+白米だ。
やはり鍋は空になっている。今でご飯は4杯目だ、もちろんご飯はもうない。
時間を見てギョッとする。もう客と予定していた時間は過ぎていた。食べてるガレスさんを放ってリビングを出て、急いで客に通信を送る。
『君、いったい何時間私を待たせる気だね?』
「申し訳ございません!あと少しで…」
『もう他の男娼を呼んだから君はもういい、二度と頼まないよ』
「…申し訳ございませんでした」
ブッと切れた通信に溜息を吐いた。
今回の客は新規客で、50歳くらいの男だがなかなか清潔感もあって金もあるやつだったのに逃したのは痛い。
「…ハジメ、そこで何をしている」
「はー…このあと会う客と通信していたんですよ。ま、その予定も無くなりましたが」
「………」
「貴方のせいで…はぁ、最悪だ」
落ち込んでる俺に流石に申し訳ないと思ったのか、ガレスは近寄ってきた。
「相手は誰だ?私から理由を説明しよう」
「もう他の男娼呼ばれてるから無理ですよ」
「…っ!?男娼って」
「言ってませんでしたっけ、俺は男娼の仕事してるんです」
そう言うと、ガレスさんは唖然としていたがすぐに疑惑の目を向けてくる。
「…そんな地味な見た目をしている貴様が?男娼?」
「…地味で悪かったですね」
「ちゃんと稼げているのか…?」
「体だけじゃ無理なんで、料理を作ってますよ」
料理で納得したらしいガレスさんを放って、俺は洗い物を始めた。ムシャクシャするときは何か用事をすれば気がまぎれる。
*
片付けを終わらせて、リビングに戻ればガレスさんがソファーに腰掛けていた。
「あんた、まだ居たんですか」
「…私は名案を考えた」
「はい?」
ガレスさんは真剣な面持ちで口を開く。
「私がハジメを買うから、貴様が私に奉仕しろ」
そうすればさっきの客のマイナスは取り返せるだろう?
…いきなり何を言い出すんだ、この人は。
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