太客名簿Aレイトン(2)
「やっぱハジメがつくるスイーツは最高だよ〜!」
「…それはよかった」
レイトンは俺が作ったチョコレート菓子、ガトーショコラを食べて頬を緩めた。お菓子作りは別に得意なわけではないが、作れないということはない。レイトンはご飯より、お菓子のほうが好きだから俺によく作らせる。
今回のガトーショコラは甘めにしてあるが、俺的にはもっとビターなほうが好きだ。
「今回の媚薬は成功だよ!電気や少しの雷魔法を使えばより効果が発揮する」
「雷魔法とか電気を操れるのはレイトンぐらいなんじゃ…」
「いや?王都にはあと2人くらい使える魔導師がいるし、僕だけってことはないさ」
そう言ったレイトンは、有名な魔導師だ。金髪の長い髪は整った顔によく似合っていて、身長も高い。魔導師らしくローブを着ていると神秘的な魅力がある。
だが、かなりの変態だ。魔導師のくせに、趣味でマッドなサイエンティストもしている。怪しい薬を作り出しては貴族達に売りつけていた。
毎回俺を呼んで実験するのは本当にやめてほしい。でも、チップをいっぱい恵んでくれるから文句は言えない。
「媚薬だけでも貴族相手に売れるから大丈夫!それに、ハジメがあーんなに乱れちゃうくらいの効果があるんだリピートもされるはず」
「…そんな強力な媚薬を俺に5滴も使ったのかよ」
「うん!…でも、最高に気持ちよかったでしょ?」
「………」
俺は黙ってガトーショコラを口に入れた。
気持ちよくても限度があることを知らないのか、こいつは。下手したら死ぬレベルだぞ、あれは。
レイトンはもう食べ終わっていて、ちびちび紅茶を飲んでいる。
「ん〜〜もう食べちゃった…僕はハジメのお菓子を毎日食べたいよ…あっ、そうだ!結婚しちゃう?!僕たち身体の相性もいいし、結婚したら最高だよ!」
「無理」
「……そんな即答しなくてもいいじゃないか」
落ち込んでいるレイトンは無視して、ふと部屋の隅に視線を向けると沢山の魔法道具が置いてあった。何に使うんだ?と思っていると、レイトンが気づいて答えてくれた。
「あぁ、それね。いやー実は前にでかい仕事しちゃってさー」
「でかい仕事?」
「一昨日、神子が王様の部屋に落ちてきたらしくて、その神子のために色々やってあげたんだ」
神子、という聞きなれない言葉にキョトンとしてしまう。
「神子って…」
「異世界から来た子なんだけど、ハジメと同じ黒髪だったよ。なんか、異世界ではコウコウセイっていう職業に就いていたらしい」
「異世界、高校生…」
嫌な汗がジワリと滲んだ。
「城のやつらはみんな神子に夢中だよ。僕にはよく理解できないけどね、あんなただの子供のどこがいいのか」
「……」
「ん?ハジメ?…顔色悪いよ?」
なんでもない、俺は首を横に振った。
…なんだ、俺以外にもトリップしたやついるんだな。でも俺みたいに酷い目には合ってないんだろうな…そいつは。
レイプされたり、殴られたり…ダメだ、イライラしてくる。なんで、俺は神子じゃないんだ?俺のほうが先にトリップしたのに。
鬱憤を全て吐き出すように、長いため息を吐いた。恨むのは神様だよな、うん。その高校生は悪くない。
そう思った俺は立ち上がり服を脱いだ。
「え、どうしたの?ハジメちゃん?」
「レイトン、今からしよう」
「いいけど…もう帰るんじゃなかったの?」
レイトンをベッドに押し倒し、上に馬乗りになる。
「…働きたい気分なんだよ、明日の朝までぶっ通しでヤリたい」
「いいけど、追加料金は……かかるよね〜」
「当たり前だろう。金持ってるくせに、ケチケチするな」
レイトンはベッドの脇の棚から袋を取り出した。
「この中のお金ぜーんぶ料金としてあげるからさ、それに担うサービスしてよね?」
頷けば、今度は俺が押し倒された。
死にそうなくらい快楽に溺れるのも悪くない。
でも、翌日腰と息子が死んだのは言うまでもない。
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