羞恥と褒美
微かに吐き出される息にくらくらするほどのアルコールの匂いを感じる。自分もきっと同じくらい酒臭いはずだ。口内を荒らす熱い舌にしゃぶりつきながら、ハジメはぼんやりそんなことを考えていた。
夕食を久しぶりに二人で食べた後、晩酌に誘われ、ワインを二人で飲んだ。何故か酒が進み、いつのまにかハジメは王様であるユージンと大きな寝台の上で、交わっていた。
ユージンも珍しく酔っているのか、ハジメの後孔を舐めて舌と指で慣らした。そのおかげでぐずぐずに解れたそこは美味しそうに長大なそれを咥え込んでいる。
「あぁっ、ひぃ…っ、ん、あぁっ♡だめ、そこ…っ、奥当たってる、ぅうっ♡」
「ここが、いいんだろう…っ」
背後から力強く突かれ、結腸に腫れた亀頭が嵌った。ハジメは目を見開き身体を震わせると、立ち上がった陰茎の先から白濁した液を吐き出した。ハジメも酔っているからか、いつも以上に感じてしまっていた。前戯の段階から何度も果てて、頭の中は桃色に染まり快楽のことしか考えられない状態だ。
ユージンはそんなハジメを見下ろしながら、再び腰を突き上げる。手綱を引くように腕を引いた瞬間、ユージンの動きが止まった。
「ーーこれはこれは…お取り込み中でしたか?」
空間が歪み、部屋に現れたのは黒を纏った大男。男はくつくつ喉を鳴らしながら、口元を覆っている布を下ろし顔を露わにさせる。ユージンはいきなり現れた男に舌打ちを溢した。
「…間が悪いぞ、ユアン」
「な、んで…ユアンが、ここに…?」
涙でぼやける視界のなか、ハジメは男を見上げる。ユアンは寝台に近づくと淫らな姿のハジメの頭を優しく撫でた。微かにふわりと鉄のような匂いが鼻につく。ハジメは快楽で溶けた頭の中で、その匂いを不思議に思った。自分以外の男を見ているのが面白くないユージンは止めていた律動を再開させた。
「ひ、ぃぃっ、あWぁっ、ぉ、ぉ…っ♡ちんぽ、いきなり…っ、うぐ、動かす、なぁっ♡」
「お前が他所見をするからだろうが…っ、おい、あれは片付いたのか?」
喘ぎ悶えるハジメを見下ろしながら、ユアンは頷いた。懐から取り出した石を見せれば、ユージンは机を指差しそこに置いて行けと伝えた。しかし、ユアンは出ていかず視姦するようにハジメを見つめた。そんな視線に感じているのか、肉壁が蠢くように中のものを締め付ける。それを面白く思わないユージンは苛ついたようにハジメの首を掴み、グッと後ろに引っ張る。
「ぐっ、ぅぅっ!?ひ、っ、〜〜〜〜っ♡」
「おぉ…すごいな」
ハジメは首を絞められながら何度目かの絶頂を迎えた。痙攣するように身体を跳ねさせ、勢いのない精液を垂れ流す姿は酷く淫猥で、ユアンは小さく口笛を吹いた。ユージンも息を漏らしながら、少し後に中で射精した。そのまま汗ばんだ首筋に噛みつき痕を残し、腕を離せば、ハジメはうつ伏せの状態でベッドに倒れ込んだ。
「ハジメ、大丈夫か?……聞こえていないな」
「……お前は何をしに来たんだ。用が済んだなら早くここから出て行け」
「殿下…俺は殿下の指示通り、ゴミを片付けてきたんですよ?それ相応の褒美を頂きたい」
ユアンの言葉を聞き、ユージンは眉間に皺を寄せた。目の前の男を睨みつけた後、息を乱しながらぐったり横たわるハジメに目を向ける。ひくひくと動く後孔から垂れる白濁液を見て、小さく溜息を吐いた。
*
グチュグチュと何かを掻き回すような濡れた音が耳に入ってくる。
「ぉっ、お、……っ、ぁ?な、に…っ」
下半身から感じる甘い刺激に意識が戻ってきた。俺は声を漏らしながら背後を振り返れば、ユージンが俺のアナルに指を突っ込んで掻き回していた。
朧げな記憶の中で、酒を飲んだ後ユージンに抱かれたことを思い出した。俺は気絶していたのに、何でこいつはまだ俺の尻を弄ってるんだ。やめろと声を上げるが、中で好き勝手に動く指は止まらない。
「漸く起きたか…まだ俺は満足していない」
「何、言って…っ、ひ、あぁっ、ん、く…っ、ぁ、もう、無理だって…んぁ、あ、ぁっ♡」
中を拡げ、指先が腹側にある痼を乱暴に擦り上げる。それだけで俺は堪らなくなり、甘い嬌声をあげた。もうできないのに、限界なのに、気持ちとは裏腹に後孔はもっと欲しがるように指に吸い付いた。
ユージンは俺の身体を起こし、膝に乗せると熱いちんぽの上におろした。柔らかいそこはすぐ最奥までちんぽを飲み込んでいく。自重がかかっているからより深く入ってきたそれに俺は獣のような声をあげた。
チカチカと白く点滅する視界の中、目の前にユアンがいることに気づいた。なんでここに?そう思ったが気絶する少し前、この部屋にユアンがやって来たことを思い出す。
「ひ、ぅぅっ、…は、ぁっ、なに、なにしようとして…っ、んぉっ、お、ぁっ、あぁっ♡」
「そんなに、締めるな…っ」
ユージンは俺の両膝を掴み下から突き上げた。深い場所を抉られ、思わず首を逸らした。前立腺も奥の結腸も関係ないほど、肉壁のどこを擦られても全てが気持ちいい。頭がおかしくなりそうだった。
ユアンはそんな俺を見て歪んだ笑みを浮かべると、床に膝をつき、俺の股間に顔を近づける。まさか、そう思い俺はその頭を掴み離そうとしたが、思うように力が入らない。
「〜〜〜っ♡やめ、やめろ…っ、離せってば…っ、ひぐ、ぅぅっ♡」
生温かい口腔内が俺のちんぽを包み込んだ。容赦なく吸われ、宙に浮いた爪先が空を蹴る。そうだ。俺はフェラをするのは得意でも、されるのは得意じゃない。歯を食いしばって堪えるが、蛇のように舌が竿に絡み付いてきて、我慢なんてできそうもなかった。
「もう、何もでないから…っ、あぁっん、やめろ、っ、くひ、ぃぃっ、あぁっ、あっ、あっ♡」
「っ、何も出ない訳ないだろうが。ん…我慢汁がどんどん溢れてくるぞ?」
「ちが、ぅぅっ♡やめへっ、ほんとに、げんかい、らから…っ、あ、っあぁっ、ふ、く、…っ♡」
俺は縋り付くように、背後にいるユージンの頭に手を伸ばした。すると、チッと舌打ちが聞こえ、ユージンは唸るような声を出す。
「くそ…っ、感じるな!ハジメ!」
「そんなの、むり…っ、ああっ、お、ぉっ、ぉっ♡」
より激しく腰を動かされ、必然的に俺の腰も前後に動き、ユアンの吸い付きが強くなった。アナルとちんぽの刺激に舌を突き出し、情けなく喘ぐことしかできない。電流が身体中を駆け巡るような快感だった。
ふと、視界にユアンの下半身が目に入った。ユアンはフェラをしながら、下履きから自身のものを取り出し、扱いていたのだ。
凶悪なほど大きなちんぽの先から汁が溢れ、てらてらといやらしく光るそれに、俺に喰らい付きそうなほど雄くさく、野生の獣のような表情。ぞくり、背筋が震えた。
「っ、ひ、ぃぃっ、いく、いくいくっ…ぉ、ぐ…っいWぐ…っ♡」
「っ!?ふ…っ、ぐ…………っ」
俺の身体の中にある何かが弾けた。プシュッと、液体が勢いよくユアンの口腔内で噴き出される。ユアンは少しだけ目を瞠目させた。透明なそれを口端から溢しながらも喉を鳴らし飲み込んでいく。
俺は何度もくる絶頂の波に震えた。ユージンのものをきゅうきゅう締め付ければ、背後からも呻き声が聞こえてきた。ユアンは興奮したように俺の頭を掴み、貪るように口付けた。
ーーもう、何がどうなっているのかわからない。仰向けで蛙のように脚を開きながら、ユージンに中を犯される。何度も中出しされたそこは、抜き差しされる度にぐぽっぐぽっと下品な音を立てた。
「ぉ、っ、…ほ、ぉ、…っ♡ぉ、ぉ…っん、ぁ…あ、ぁっ♡」
ぼんやりした頭の中はもう壊れかけている。気持ちいいことしかわからない。目の前にあるグロテスクな性器を見上げる。ユアンは俺の頭上に膝をついて、顔の上でちんぽを扱いていた。
雄の臭いに頭がくらくらしてくる。俺が無意識に舌を突き出し亀頭を舐めようとすれば、胸に鋭い痛みが走った。
「あWぁっ、いた、ぃ…っ、ひ、ぃ、あっ、あWぁっ」
「何をしようとしている…こっちに集中っ、しろ!」
千切れそうなほど両方の乳首を抓られる。痛いのに、馬鹿になった身体はそれにも快感を覚えてしまう。苦痛に歪む俺を見下ろし、男たちの息がもっと荒くなるのがわかった。
「可哀想に…そんなに俺の精子がほしいか?ハジメ」
ユアンは口端を歪め、興奮したようにそう言った。ちんぽを扱く動きがより速くなる。いやらしい音と匂い。何もかもが俺をおかしくさせた。
ユージンはそんな俺たちを見て苛立ったのか、ぐっぐっと腰を打ちつけ、結腸を貫き抜き差しを繰り返した。そのまま薄い腹を手で押されると、腹の中が圧迫されより中のものを感じてしまう。
俺はあまりにも強い快感に目を見開いた。
「んおW、ぉWぉっ、〜〜〜っ♡」
射精せずに俺は絶頂を迎えた。目の前でばちばちと火花が散っている。中イキした余韻が抜けず魚のように身体を跳ねさせていると、中に熱いものが吐き出され、ユージンもイッたのがわかった。それと同時に、ユアンも果てたのか顔に思いっきり熱い精液が降りかかった。
情けなく開いた口に精液が入ってきて、俺は苦いそれをごくりと飲み干す。顔中についた液体を塗り広げるようにユアンの掌が動き、最後は口の中に指を入れてきた。舌や口腔内を荒らすように動く指に無意識に吸い付けば、怒鳴り声が聞こえた。
その声を聞きながら、俺は荒い息を吐き出して、重い瞼を閉じた。
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