異国旅行3日目

 結局2日目は疲れて宿で寝ていた。せっかくの旅行なのに1日が潰れるなんて勿体無いことをしてしまった。旅行中はやめてもらうようにしよう、俺はそう決めた。
 仕事に行ったカイルを見送って、俺は適当に町をぶらつくことにした。


 でかい市場がたくさんあって、俺は一つ一つ屋台を眺めていく。どうやらここは野菜や肉などはあまり売ってなくて、祭りのようにたくさんの安くて美味しそうな料理を売ってる屋台が多いらしい。

 バターのいい匂いに釣られて向かえば、ほくほくのじゃがいもにバターがのってある…所謂、じゃがバターが売ってある店があった。
 前の世界でもめったに食べれないじゃがバターに、じゅるっと涎が垂れそうになる。

「おばちゃん、それ一個ちょうだい」
「はいよー!…火傷に気ぃつけな!」
「ありがとう」

 お金を払い、熱々のじゃがバターを受け取る。じゃがバターを包んでいる紙は特殊なのか、あまり熱くない。
 ふぅふぅ息をかけて冷ましながら、一口齧る。

「…っ、あっふぃ!」

 ほくほくのじゃがいもとトロトロのバターはすごく美味しいが、熱すぎて味わうどころじゃない。屋台のおばちゃんは言わんこっちゃない、とケタケタ笑っている。
 熱いじゃがバターを冷ましながら何とか食べれたが、舌を軽く火傷してしまった。

「ーーそこのお兄さん、大丈夫?」

 ひりひりしてる舌を気にしていると、隣の屋台の若い男に声をかけられた。男の屋台はどうやら冷やしトマトを売っているらしかった。

「火傷したんだろ、1個食べてみないか?冷たくて美味しいぞ?」
「じゃ、じゃあ…1個ください」
「まいどー!」

 渡された透明の容器に丸々一個のトマトが入っている。串で一口食べて眼を見張る。

「あまい…」
「それ砂糖もなんも使ってないんだ、だけどスイーツみたいに甘いだろう?」
「確かにスイーツみたいだ…冷やしてるだけなのにすごいな」

 ひんやりしたトマトが火傷した舌を冷やしてくれる。トマトは甘くて美味しい。前の世界だったらかなりの高級トマトになるんじゃないだろうか、そんなレベルで美味しかった。

「お兄さん、旅行者だろ?それ作ってる農園に行ってみなよ」
「いや、自前に許可が要るんじゃ…」
「だーいじょうぶ、大丈夫!あいつも…農園主も暇してる筈だからさ」
「観光客とかでいっぱいじゃないんですか?こんな美味しいトマトだったら…」

 俺がそう言えば男はキョトンとしてから、笑った。

「あんま人気ないんだよ、俺が勧めてもみんな行かないからね」

 なら行こうかな、俺はそう思った。どんな育て方をしているのか少し気になっているし、男はそんな俺に嬉しそうに笑って、農園への道を教えてくれた。


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