ガレス+カイル=修羅場

 最近奮発して圧力鍋を買った。前の世界より調理器具が高くて、なかなか買えなかったがお金に余裕ができたから、ようやく買うことができた。
 今日はそれを使って豚の角煮を作った。煮卵もうまくできたし、青梗菜もトロトロで美味しそうだ。ニヤニヤしながら皿に盛っていると、ドアをノックされた。

「…また来たんですか」
「ああ。ん?美味そうな匂いがしてるじゃないか」
「ちょっ、入らないでくださいよ!」

 外にいたのはガレスさんだった。嫌な予感は的中した。
 この男はタイミングがいいのか、わかってきてるのか、だいたい晩ご飯どきに来る。勝手に家に上がるガレスさんにうんざりするが、俺は毎回なんやかんや流されて入れてしまう。

「…悪くない」
「そうですか」

 幸せそうに角煮を食べるガレスさんに溜息を吐いた。さっきお金を渡されたから、どうやら今日の客はガレスさんらしい。最近はいろいろあって、家でゆっくりしていたかったのに…そう思ったが仕方がない。
 俺もトロトロで柔らかい角煮を食べた。あまり噛まなくても食べれるくらい柔らかい。角煮万歳、圧力鍋万歳!幸せを感じながら食べ終わった。
 その後、ガレスさんが角煮を全て平らげたせいで、圧力鍋の中身は空っぽになった。
 明日も食べようと思っていたのに…。

 *

「んっ…ふ、ぁ…っちゅ、ん…」

 リビングのソファーに押し倒され、キスをされた。舌を絡め合いながら薄く目を開ければ、溶けたアイスブルーの瞳がこっちを見つめていた。思わずドキッとしてしまう。
 悔しくて舌ごと唾液を啜れば、お返しとばかりに啜り返される。こんな人でも下品なキスするんだな、と熱に浮かされながらそう思った。

 ーードンッドンッ!

 いきなりドアが乱暴に叩かれた。無視していたがあまりにもしつこくて、ガレスさんがイライラしながら玄関に向かった。

「なんだ、貴様は…」

 揉めてる声が聞こえ、乱れた服を直してから俺も玄関に向かった。そこにいた人物にギョッとした。

「…カイル」
「ハジメ、話がある」
「俺は話したいことなんかない。客もいるし、帰ってくれ」

 俺に近づこうとするカイルをガレスが止めた。カイルとはあれから会ってないから、久しぶりに顔を見たきがする。

「…おい、待て」
「なんだ?俺はハジメに用があるんだよ。部外者は黙ってろ」
「貴様にハジメの仕事を邪魔をする権利はない。早く出て行け」
「んだとテメェ…」

 言い争う二人にうんざりしながら口を開く。

「カイル…ガレスさんの言う通り、俺の邪魔しないでくれ。仕事中だって言ってるだろう」
「ハジメ…」
「早く帰ってくれ。ほんとに、迷惑でしかないから」

 きっぱりそう言えば、カイルは俯いた。
 傷ついた様な顔をするカイルを見て、胸が痛んだがまだ話す気にはなれない。

「…また、来るからな」

 カイルはそう言って出ていった。


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