第11話
「麻也、次は何する?」
「えと……」
麻也はふと、UFOキャッチャーが目に付いた。可愛い犬のぬいぐるみが沢山置いてある。
ゆっくり惹かれるようにそれに近づき、指差した。
「これがしたい」
優馬は覗きこみ、へーと声を漏らした。
「意外だな〜〜、麻也はこんな可愛いのが好きなのか」
「んー…なんていうか…」
「なんていうか?」
”優馬に似てるから、欲しいなって…”
麻也はそう言ってから優馬を見ると、優馬の目元が赤くなっていた。不思議に思い見つめていると、優馬は後ろを向き、UFOキャッチャーに手をついた。
「はあ〜〜〜〜」
「ど、どうしたの?気分悪い?」
「な…んでもねーよ!!」
まだ顔が赤いまま怒鳴るように言った優馬に、麻也は少し驚く。
「優馬…怒ってるの?」
「お、怒ってねー!!」
優馬はがりがり頭を掻いて、機械に向かう。
財布を取り出し、金を入れた。
それを見ながら、優馬も犬のぬいぐるみが欲しかったんだ…僕と被って恥ずかしかったのかな?なんて思っていた。
優馬は慣れたようにボタンを操作し、ぬいぐるみを簡単に穴に落とした。
「すごい!こんな簡単に取れないでしょ、優馬すごい!!」
「こんくらい誰でもできるって」
そういいながらも、嬉しそうに笑う。麻也も取れるかな、と財布を取り出した。
「ほら、麻也」
「え、なに?」
「これやるよ」
差し出されたのは優馬が取った犬だ。
麻也は一瞬キョトンとしたが、慌てて犬を押し返す。
「そんな悪いよ!優馬が取ったんだから。それに、優馬も欲しかったんでしょ?」
「いやいや!欲しくねぇし、麻也のために取ったんだから」
「…そうなの?でも……」
まだ遠慮する麻也に、優馬は周りを見渡して歩き出した。
麻也もそれについていくと、そこには犬のぬいぐるみと同じ種類の猫のぬいぐるみがあるUFOキャッチャーだった。
「麻也、200円」
言われるまま、差し出された優馬の手に200円を置いた。
優馬はそれを機械に入れ、操作する。また簡単に取り、麻也を見た。
「俺は200円のこいつを貰う、麻也はその俺が取った200円の犬を貰う…それでいいだろ?」
「…いいけど、何で猫?」
猫も可愛いけど、犬も同じくらい可愛いのに。そう言えば優馬は悪戯な笑みを浮かべた。
「何でって、麻也に似てるからさ」
”だから欲しくなった”
麻也はボンっと顔を赤らめた。
優馬がそれを見て楽しそうにけらけら笑い、余計に恥ずかしくなる。
「に、似てないし!」
「似てるって、麻也は俺の近所にいる子猫にそっくりだから」
「子猫って…恥ずかしいからやめてよ」
照れて拗ねたように睨む麻也を宥めるように、優馬は頭を撫でる。
「ははっ、麻也はかわいいな〜〜」
「可愛いくない!僕、年上だよ?」
「可愛い可愛い!!年上でも麻也ちゃんは可愛い!」
馬鹿にしてるでしょ!と麻也が怒っても、優馬は笑ったままだった。
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