第12話

 
「あれ〜〜、優馬クンじゃん」

 後ろから声を掛けられ、振り向けば制服の男が3人嫌な笑みを浮かべ優馬を見ていた。
 男3人は麻也の母校ーー成南高校の制服を着ていた。鷹人の同級生かな、と麻也は少し動揺した。まさか自分を知っているとは思えないが、もし知られていたら面倒なことになる。


「…今こっちツレ連れて遊んでんだよ、消えろ」
「はあ?んなもん関係ねーよ」

 リーダー格であろう男がチラリと麻也を見たが、気にせず優馬に突っかかる。
 麻也はホッと安心したが、優馬がどうするのか気になった。

「メンドクセーな…明日学校来いよ、俺は今忙しいんだよ」
「テメェ、鷹人さんがなにも言わねぇからって調子乗ってんじゃねぇぞ」
「はいはい、うるせーな!明日来たら相手してやるって」

 優馬は早口にそう言うと、麻也の腕を掴み走り出した。麻也は驚きながらも黙ってともに走った。
 3人が追いかけてくる様子はなく、優馬達はある程度のところで止まった。

「も、速すぎるよ…はぁ…」
「ごめんごめん!麻也を巻き込みたくなかったからさ」
「そっか…ありがとう」

 麻也はそんな優馬の気遣いを嬉しく思った。





「おい、追いかけなくていいのかよ?」
「…なあ、優馬の隣にいたあいつどっかで見たことあるよなぁ」

 リーダー格の男がそう言うと、残りの2人がああ、と声を上げた。

「確かに見たことあるよなぁ、どこだったか」
「DIVAかどっかで見たんじゃねぇの?」

 その2人の言葉を聞いて、男は思い出したと呟き、ニヤリと笑みを漏らした。

「あいつだよ、鷹人さんのそばをチョロチョロしてる」


 ”高野 麻也(たかの まや)だよ”




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