なんなんだ、こいつ。
誰かと衝突することは好ましくない。それは誰しもが思うことだ。今井も何故か突っかかってきた後ろの女子生徒ーー瀬原未来に対して首を傾げていた。怒りはない。これ以上、事を荒立てるのはよくない、と思ったからだ。ただただ、何故? という問いが今井の頭の中を駆け巡っていた。しかし、部屋の効きすぎた暖房と、差し込んでくる日差しの温さのせいで、その思考も溶けていく。もうどうでもいいや、という結論に至った。溶けた思考で解く数学も、同様に答案は溶けたようだった。小テストが終わり、時計の針が回って、窮屈な授業が一つ終わった。そそくさと逃げるように、今井は瀬原から離れ席を立った。今井が振り返ると、機嫌悪そうに瀬原は机に突っ伏していた。
今井のクラスは2ーCで、瀬原のクラスは2ーAだった。しかし、移動教室の選択が大分被っているようで、顔を合わせる機会は多かった。けれども、会話をしたのは初めてであった。尚更、今井は頭を悩ませる。なよっちいって……確かにオレの背は低いけども。と、身体的特徴を言われたのかと思い、暗い気分になる。それって最低じゃないか? 生まれ持った特徴は変えようがないのに。思い返して、今井は腹が立ってきた。今度顔を合わせた時には、是非とも何か言い返してやろう。そう決意し、今井は教室に帰っていった。
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