女王様
「おう、女帝様じゃないか。」
そう、レオンが声をかけた時、人気のないところで身を潜めていたメリッサは肩を震わせた。
ここは人気のない裏通りでメリッサ、国の女帝がいる場所ではなかった。
メリッサは額には薄く汗をかいておりその目は戸惑いの色を隠せていなかった。
脱走してきたのだろう、とレオンは思った。
メリッサはレオンの右手に持たれた吸いかけの煙草を見つけると眉間に皺を寄せた。
それを見たレオンは、はいはい、と煙草の火を消し捨てた。
「私の事、誰にも言わないでくれ。
ずっと室内にいるのは辛いんだ。」
ぼそぼそと何も聞いてなどいないのにそういったメリッサ。
レオンは溜息をついた。
その溜息にメリッサは「すまん。」と謝った。
「女帝様が脱走。命は可笑しい。
この国はいかれているんじゃないか?」
「ああ、いかれているさ。」
「私は王座などにつきたくなかった。」
「自由にいきたい」
「何か言ったか?」
「いいや。」
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