「俺のコピーもいんのか。」

一つの声が上がる。
集まった者が声のした方を見ると、肩を一斉に震わせた。



悪魔がたっていた。



いや、人間なのだが彼―生駒夏(いこま なつ)が身にまとう空気は異様で、今彼に話しかければその片手に持っている神器で貫かれそうだった。

そう、彼は不機嫌だった。彼が不機嫌じゃない日なんてあるわけないのだが、いつもより数倍、―いや、数十倍ピリピリとしていた。

周りの生徒が怯むくらい不機嫌丸出しの彼にも怖気ず、矢代は淡々と答えた。

「いるな。」

「なんでだよ。」

「言っただろう。"俺達”のコピーを作ったんだ。
―誰一人作っていない奴なんていないだろう。」

その言葉に更に不機嫌なオーラが増す。

夏は自分の、血液が巡回している体を見て何かを考えていた。その様子でも不機嫌なオーラが止まない。

「ちっ…短期戦で確実に仕留めなくちゃいけねぇのか…。」

「怖いのじゃ…」「しっ!」

そして、神器片手に体育館を出ていった。
道からして武器庫のようだった。それを見た なつめ は、慌てて彼のあとを追っていった。

「他にはないのか。」


出ていった二人から目を生徒たちに戻して、矢代は堂々と、淡々と言った。



肝が座っている―



生徒達が冷や汗をかきながら矢代の様子を見てそう、思った。

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