今日も今日も、慌ただしく走る男の姿はあった。
廊下にいた生徒はただ、呆れてその男の走っていく姿を見送った。
―また、東郷か…
―え、ちょっとまって、次何壊した?

口々に噂話をする生徒達。
東郷藜(とうごう あかざ)、物を壊すことを得意とする生徒。また、生徒会長矢代の幼馴染みである。

慌ただしく生徒会室の扉を開けて、中に入る。注目される藜は、それどころではないと言うように矢代の姿を探した。

「会長をお探しですか?」

声を掛けられる。上下に慌ただしく首を振って藜は言った。

「クラスの窓壊しちまった!」

「残念ながら会長いっませーん。」

「えっ?」

「風邪とかなんとかって聞きましたが…」

「矢代くん無茶してたしね、ぶっ倒れたんじゃないの?」

口々に矢代のことについて話す生徒会に藜は首を傾げた。

「部屋にいないけど?」

藜が言う。

「保健室入りとか?」

「さっき保健室の扉こわし…んんっ、や、なんでもない。保健室にもいなかった!」

元気よく答える藜に首を傾げる生徒会。



















瞬間、藜が目を見開く。

「私、知りませんよ?」

「まじで矢代くん何処行った?外?」

しゃがみこんで頭を抑える。黒色のバンダナ下では第三の目は凝視するように見開かれていた。

耐えきれなくなって膝をつく。

「藜先輩?」

それに気がついたのは要だった。
そっ、と膝をついた藜の肩に手を乗せる。
いつもなら恥ずかしがって「大丈夫!」と大きな声で言うはずだが、今回は何だか様子がおかしかった。

「……ぇ」

「何ですか?大丈夫、ですか?」






「頭が割れる!!!いてぇえええ!!!」






その言葉に呼応するかのように、各校舎や教室などで叫び声が聞こえた。

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