13
阿鼻叫喚図に成り代わりつつある学園。
三人はギリギリ安全地帯にいた。崩れた塀の陰に座って隠れていたのだ。
「これって、俺達も参戦しなきゃいけないんじゃね?」
俊が塀の陰から周りを伺いながら言った。
「わしはいいぞ!」
「いや、トワは何ができんだよ。」
元気良く言ったトワに俊が返す。周りの様子を伺いながら、神器を取り出す。
「それはそうじゃな…。わしはここにおるから二人は参戦するのじゃ!」
そう言ったトワに藤は「え!?」と驚きの言葉を放った。
「トワさんは誰が守るんですか!?それに、俺の神器――」
「隠れるのは得意じゃ!ほれ、俊、藤殿にその腰にある剣を貸すのじゃ!」
「えー…って言ってる場合でもないし、はいはい、貸しますよせーんぱい。」
渋々俊が剣を藤に投げて寄越す。と、同時に俊は塀の陰から一点を鋭く見つめ塀の陰から飛び出して行った。
藤は未だにちらちらとトワを見ている。トワはにっこり微笑んで藤の髪をぐしゃぐしゃと掻き混ぜるように撫でた。
「わしは藤殿を信用しておる。」
そして、目を瞑りすぅと息を吸い込み止め、目を開いた。
しっかりと藤の目を見つめた。
「だって、藤殿は強いから。…前剣道の一本勝負の時だって、決めてたじゃない。
わしは――私は藤殿の無事を祈ってここで待ってる。
――さ、行くのじゃ!」
バンッと喝を入れるように藤の背中を叩くトワ。
藤は大きく頷き、「行ってきます」と言って塀の陰から飛び出した。
それをトワは見送ると、もっと安全な物陰の奥へと身を隠した。
「どうか、俊も藤殿も無事で…。」
ポツリと呟いて。
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星空