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体育館から出てすぐのところに水道はあった。
だが、問題があった。
「わあ…、どうやって顔洗おうか…。」
水道の蛇口が壊され、水が勢い良く飛び出していた。
そのせいで水道の周りは水浸しだった。
濡れてもいいのだが今この時期で冷たい水に濡れて動き回ると風邪をひくかもしれないと菊治は考えていた。(こういうことにはよく頭が回るらしい。)
よっ、ほっ、と水が勢いよく飛び出しているところへ近づく。そして、ブレザーを脱ぎ、それを水道に被せた。
瞬時に濡れてじわりじわりと水がブレザーから溢れる。その水は赤色だったが、徐々に透明色へと姿を変えていった。
それを確認すると、菊治はブレザーを素早く水道から引きはがし水が飛ばないところまで避難した。
だが所詮人の動き。勢いのいい水の方が早く、少しだけ濡れる。
「…まあ、いいか。」
濡れたのは背中部分と、少し髪が濡れた程度だったことで菊治は気にしなかった。
濡れたブレザーで血で汚れた体を拭う。
ふと、要にもこの濡れたブレザーで拭いてあげようかと考えがよぎる。
そうすればわざわざここまで来なくても大丈夫じゃないかと思い体育館内へと戻ろうとする。
瞬間、爆発音が聞こえた。
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星空