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「…今から昼寝?」

智也が目前の人物の放った言葉に明らかに顔を歪めた。当の言った本人―目前の人物、生駒夏は何故か得意気な表情をしている。あえてそれには智也はつっこまなかった。

「眠いから部屋で寝る。」

「自由すぎるだろ。」

「手前はまだ治療受けてた方がいいだろ。じゃ。」

智也の言葉を聞かずに夏は体育館を出ていく。寮へ繋がる道を歩き、そして自分達の部屋の扉を開ける。鍵をかければそう簡単に誰か侵入してこないだろう。というか鍵を開けられるのは同じ部屋の住人律だけだろうと思い部屋に入った。


「……は?」


絶句。
…そして部屋を出て扉を見る。
確かに彼らの部屋の窓からは体育館が見えた。体育館の近くなのだから。
この時、夏は初めてコピーを恨んだ。

部屋は数十分前の爆破に巻き込まれたのか半壊。外が見える。無事なのは律側のスペースであり、夏側のスペースはクローゼットとタンス以外全て巻き込まれていた。

「…絶対許さねえ。」

政府側が用意して政府側が壊して行った部屋。ふつふつと沸き上がる怒りに頭を掻きむしりたくなる。

―寝る気失せた、疲れた、風呂入ろ。

さっさと無事だったタンスから着替えとタオルを取り、ズカズカと大股で風呂場へ向かう。
風呂場は割と奥の方でここまでは被害には及ばなかったらしい。

さっさと衣服を脱いで、髪ゴムを解く。乱暴に籠の中に脱いだものを突っ込み髪ゴムとタオルだけは持っていく。

ガラリと扉を開けると2人いた。
うち1人は、1つシャワーを壊して冷水を頭から浴びていた。

「ぶっほぉはっ、つめてぇ!」

そんな言葉を無視してなるべく夏はそいつから離れた場所のシャワーを使う。

もう1人は気持ちよさそうに浸かっていた。

ぶしゃぁぁあと壊れたシャワーから出てくる冷水と格闘する男と、気持ちよさそうに今にも眠りそうな勢いで浸かる男、髪を洗う男。
各々話しかけるつもりはないようだ。

その時、ガラリと風呂の扉が空いた。

「あら、いらっしゃったんですね、」

頭を傾ける美少女(?)が風呂場に入ってきたのだ。
そこで冷水を被っていた男が固まり、口をパクパクさせた。

「かな、かな、かっかっかな……!?」

徐々に顔を赤くしていく男。
風呂に浸かっている男はじっと入口を見た。
夏に関してはあからさまに嫌に顔を歪めた。

そして入ってきた美少女(男)――朝比奈要も、3人を視界に入れて顔をほんの少しだけ、引きつらせた。

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星空