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「ここの警備員に槍使いはいねぇのかよ。」
「基本は銃だろ。」
夏の呟きに智也が答えた。倒れた警備員の懐から弾を拝借して夏は自分のポケットにいれる。ポケットにはかなりの弾を拝借したのか弾がチャリチャリと鳴った。
もうポケットにいれられないと判断したら、夏は舌打ちをして警護対象である菊治に軽く投げた。
「わっ。」
菊治はそれを両手で受け止め医療道具の入った横掛けのカバンの側面のポケットに入れた。
そこで、智也が菊治の方へ刀を向け菊治の後ろにいた敵を斬りつける。
夏は横目でそれを見て使い慣れていないというわりには結構な速さで銃に弾を込め素早く目前にいた敵にぶっぱなした。
「軟弱すぎるだろ。」
「…慣れてないと言え。」
夏と智也が静かに菊治を見て会話していた。この二人、この戦いのおかげでどこか仲良くなっていた。(未だ目を合わせたら舌打ちして目を逸らすのだが。)
「にしても、神器は一応は出せるが出しているだけでも体力削られるとは思わなかったぜ。…武器庫か何かが………あ。」
夏がめんどくさそうに頭を掻きながら廊下の曲がり角を曲がると立ち止まる。
2人はその様子に首を傾げて曲がった先を見た。
丁度良いタイミングで【武器庫】と書かれた部屋を見つけた。普段は警備が立っていると思われるが、侵入者がいるのだ。全員駆り出されてしまったのだろう。
「不用心だな。」
智也の呟きに夏は頷き、部屋にかかっていた南京錠と電子ロックに向かって銃弾を放った。
南京錠は外れたが、電子ロックは一瞬解除しかけたがそう簡単には解除してくれず痺れを切らした夏が神器を取り出し素早く扉を壊した。
その様子は智也は冷めた目で、菊治は青ざめた顔で見ていた。
―後の二人の証言によると鬱憤晴らしだったのか、その時の夏は異様に楽しそうだったという。
「よし、行こう。」
「銃は捨てていかないのか。」
「武器は多い方がいい。」
奪ったホルスターを腰に巻きそこに銃を突っ込み片手に槍を手にした夏に智也が言った。それには一理あった。武器は多い方がどちらかが使えなくなった時に役に立つ。
智也も、一応は銃を拝借していたのだ。
そっと、智也は一度も使っていない腰に巻いたホルスターに入った銃を撫でた。
ちなみに菊治には持たせていない。戦い慣れしていない奴に下手に武器を与えて自分を傷つけると厄介だし、それに菊治自身人を傷つける武器を手にしようとしなかった。
ふっ、と智也は前を向くと少し先に見慣れた制服を着た人が何人かいることに気がついた。
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星空