35
「行くわよ。」
「お、おう。」
扉から出ていこうとする矢代たちを逃がすまいと追う夏と智也の前に要と藜が立ち塞がる。
その様子を、夏は鼻で笑った。
「ハッ、捨て駒にでも成り下がったか?学園の…………」
「アイドル。」
「アイドルよぉ。」
咄嗟に言った言葉だったらしくなんと言えばいいのか全く出てこなかった夏に智也が呆れながらフォローを入れた。
はっきり言ってかっこ悪いし、何故か夏の方が敵らしかった。
その言葉に、次は要が鼻で笑った。
「この世界を初期化したいだけよ。」
そう言った要は、腰を低くおろし短刀を構えて智也に襲いかかった。
それを夏が神器で受け止める。智也がこちらに目を向けたが、すぐに理由を察したのか三叉戟で夏を貫こうとした藜の攻撃を刀で受け止めた。
互いに、違う相手に来た攻撃を受け止める様子は周りから見て複雑となっていたが、それはすぐに解かれる。
一斉に腰をおろして、別の場所に移動をする。
夏と要は左。
智也と藜は右の方へ。
小柄な要は、夏よりもスピードが速い。
それを生かして要は夏に素早く攻撃を仕掛ける。
それを全て神器で受け止めて、要が隙を作ったときに攻撃を仕掛けた。
藜は、要よりスピードは速くないが破壊神の名があるだけに一撃一撃が重たかった。
智也は、あまりそれを受け止めずに避けて藜に接近してみようと試みる。
後方の方では蓮たちがマシロと戦っている。
激しい爆発に巻き込まれないように気をつけているのだが、若干要たちの方が有利で、じりじりとだが、夏と智也を後方へと下がらせていた。
扉からは、矢代たちがこちらをチラリと見て出ていく。
夏が後を追おうと、要の横をすり抜けようとするが頬に短刀が掠った。
何本か髪が切れる。
それに気がつき、短刀が首元に向けられた。素早く避けて、神器を使って要との距離をとった。
藜の方は、攻撃が重たいだけではなく素早い。神器である三叉戟を智也の足元を狙い突き刺すが智也はそれをかわした。
三叉戟が地面に突き刺さっているのを確認して智也は藜のもとへ近づこうとするが、とてつもない力で三叉戟を引っこ抜き智也を後ろへ飛ばす。
今度は先程とは違う激しい爆発音が響く。
地面が揺れた。
室内にいる人数は少ない筈なのに、まるで大きな戦場にいるかのように激戦となっていた。
- 62 -
[*前] | [次#]
ページ:
星空