私だって仲間に入りたい

『みんなお疲れー。』


「あ…え?美月!?」


この場にはいないであろう人物の上目遣いの
湯上り姿をまさか目にするとは思っても
みなかった花巻は首を傾けて頬がほんわり
赤い予想外の女神の姿に即ノックダウン。


『花巻、大丈夫?突然どうした!?』


突然うずくまって震える花巻に体調が悪く
なってしまったのかと心配をして、美月は
花巻を見て慌てていた。



「美月、思い出をありがとう…」



『何なのかよく分からないけど止めて!
その終わりみたいな台詞。』



「花巻さんの気持ち、凄く分かります。」


矢巾も花巻同様、言葉にならない喜びを
彼と分かち合うように噛み締めて、
倒れ込んだ花巻の肩をガシッと掴んだ。


国見は先程の及川達とのやりとりを見ていた
ので、特に顔色を変える事はなく
「髪の毛をちゃんと乾かしてください。」
とさっきの仕返しをする様に彼女が首に
かけているタオルでわしゃわしゃと拭いた。


すると、「美月、風邪引くぞ。」と
布団の上に座っていた岩泉が立ち上がり、
さりげなく国見から美月を奪い取ると、
彼女を胡座をかいた自分へ乗せて、彼女の
持っていたドライヤーで慣れた手つきで
髪の毛を乾かす。


その2人の姿は周りから完全なる嫉妬の目を
浴びているのだが、彼は気にすることなく
美月の髪を乾かし続け、ふんわり
と香る彼女の甘い香りにみんなが引き寄せ
られそうになっていたら『徹、シャンプー
ありがと。』と美月は及川に小さい
ボトルを渡したので、それを見た彼らの目は
点になる。


「牧野さんと及川さんが同じシャンプー
…だと!?」


「この香りどこかで嗅いだと思ったら!」


及川と美月の衝撃のやり取りに、もちろん
みんなからの注目を浴びない訳が無い。

「お揃いだよーん」と鼻高々な及川の姿を
先輩後輩関係なく、岩泉と国見は冷たい目
で他の皆は悔しそうに見た。
 

「だから、発するニオイが違うだろ。」


「俺、岩泉さんの言いたい事がなんか
よくわかりました。」


終わったぞとドライヤーを切り、ありがとう
ハジメと美月は彼の膝から降りて立ち
上がったら、ドライヤーを片付けて1つ
足りない布団を敷こうと持ち出した。


「お前はそこだからな!」と場所を岩泉から
自分の横隣だと指定されれば、わかって
ますよーと顔を顰めて、べーっと舌を出し、
周りが彼女の行動に目を丸くした。


「えっ、まさか牧野さんもここで
寝るんスか!?」


「え、まじか。」


「寝顔見られるのはちょっと。」


『むっ、みんな嫌なんだ。』


金田一と松川と渡もそう言って驚き、周りの
動揺を味方につけて及川が「ほらみろー!」
と煽り始めるので、美月はそれなら
仕方ないと言いながら、自分の荷物と布団を
よいしょっと担ぎ始めた。


『じゃあ、私はこのまま溝口クンのお部屋へ
行っちゃいましょう。』


『2人だけであんな事やこんな事を色々と
教えてもらうんだもんね』と彼女の言葉は
単純にバレーの事なのだが、彼らの場合は
良からぬ妄想に発展してしまい一旦フリーズ。


31歳と女子高生と聞くだけで危険な香りしか
しないのによりによって、美月をとても
可愛がってる溝口の名前。


流石に生徒には手を出さないと分かっていても
酒が入って判断曖昧のまま美月が目の前
で寝てたらと想像しただけでもそれは
ヤバすぎる状況。


「それだけはダメだ」と声には出ないが
皆の気持ちは完全一致。
得意の反射神経で彼女を全力で阻止した。


「美月落ち着け、俺達が悪かった!!」


「みんなで寝ましょう!
牧野さんも寂しいですもんね!」


「仕方ねぇ、美月の布団を及川と俺で
挟むぞ。アイツの寝相が一番厄介だ。」


「わかっているよ、岩ちゃん!」


「俺は実は泊まりに慣れてて川の字で寝よう
とするお前らが1番腹立つわ。」


彼女の抱えた布団と荷物をいそいそと
幼なじみが阿吽の呼吸でとりあげて対処し、
松川はその速さを腕を組んで見ていた。


仲間に入れてもらった美月は嬉しそうに
よかったと笑顔を見せ、そして今日の活動
内容を布団の上で纏めようとノートを広げた。



「牧野さん、横になった瞬間に
そのままもう寝ちゃってる。」


「よっぽど疲れてたんでしょうね。」


「美月は布団かけなさいっての!
もー、足元も丸見えじゃん。
ってこれ短いと思ったら中学の短パン!」


「10センチ以上身長伸びたんだな。
丈が大分短くなってんじゃん。」


「これで溝口君のとこ行こうとしたとか
本当にヒヤヒヤするんだけど。」


「色んなとこが順調に成長してんのな。
…脚フェチ開花しそう、ヤベーな。」


「花巻、てめぇどこ見てやがる。
つーか、コイツも服装考えろ。」


「いや、布団かけてあげてくださいよ。
風邪引いちゃうでしょ。」


「寝顔もやべぇ。これ、寝れるかな。」











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