何が何でも別れろ

ザキと葉月の関係性も大概狂ってるからザキが告られて彼女出来た!ってなったらありとあらゆる手を使って彼女ちゃんが徹底的な悪者になるように仕向けて別れさせるよね。「へえ、そう。そんなに好きなのに、こんなこと出来ちゃうんだもんね」って満面の笑みで彼女ちゃんが他の男とホテルに入ってく写真を突きつけるよ。

勿論捏造された写真だから彼女ちゃんは焦るけどその写真に映る自分の格好がザキではない男と会っていた時のものであるが為に「ちが…っ、ねえまって、ちがうの…!」って真っ青な顔で違う違うって繰り返すことしか出来ないね。ザキもバカじゃないからこの写真はマネが作った偽物だって気付いてる。

偽物の写真だって気付いてるからこそ、なんで彼女ちゃんが焦ってるのかが怪しくて浮気はしてないにせよ疚しいことはあるんだなってすぐバレちゃうよ。「あー、そういうことな」ってため息ついて後頭部がりがり掻くから彼女ちゃんの顔が益々真っ青になるけど葉月は心底愉しそうに笑ってる。

「じゃあ終わりだな」ってはっきり言い切ったザキに彼女ちゃんは崩れ落ちて泣きじゃくるけどザキは手なんか差し伸べてあげないし、むしろ葉月に「ほら、行くぞ」って手差しのべちゃうから罪な男だね。ご機嫌の葉月はザキの腕に自分の腕を絡ませて「女の趣味、悪いよね」って笑ってる。

「女の趣味悪いからお前と一緒にいんだよ」
「うっっっわド正論〜〜!」
「つかあの写真どうしたんだよ」
「え〜?駅前でザキの彼女見つけてちょっかいかけようかな〜って思ってたら他の男と仲良さげに歩いてたから使っちゃおっかなって思ってさあ」
「あー、そういうことな」
「あんましショックじゃなさそうだね」
「まあ、元々ステータス目的っぽかったし」
「ザキを彼氏にすることで得られるステータスとは?」
「おいコラ」
「うそうそ。ザキは意外にモテ組だもんね」
「だからいんだよ別に」
「え、分かってて了承したの?」
「まあ、顔は良かったし。ヤるだけならいいかなって」
「うっっっっわ。うっっっっっわ」
「なんだよ」
「しっかりクズじゃねーか」
「うける今更だろ」
「花宮と原が喜びそうな案件じゃん」
「あー…特に原な」
「祝いの酒飲みに行こう」
「何のだよ」
「破局記念」
「最悪で笑う」

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