爆豪勝己とお昼寝

一緒に遊んでくれる人を探して共有スペースにやってきた名前はソファに座りスマホをいじる爆豪を見つけて駆け寄った。爆豪はチラリと名前に視線を向けた後、再度スマホに目を落とした。自分の身長と同じくらいか、それより少し高いくらいのソファに座ろうと一生懸命もがく名前を爆豪はため息をついて持ち上げた。


「何やってんだ」
「かっちゃん、おとなりすわっていいー?」
「良いもなにももう座ってんじゃねーか」
「おとなりいや?」
「…好きにしろや」
「あいがと!」


爆豪の隣にちょこんと座った名前が首を傾げる。爆豪は小さくなっても名前は名前で、怒鳴ろうが何を言おうが全然堪えないことを知っていた。まして、今の名前は小さな子供。怒鳴ろうものなら上鳴や切島の言う通り絵面が非常に悪くなる。さすがの爆豪もその点は考慮しているようで勝手にしろとスマホに目を落とした。


「かっちゃんなにしてるのー?」
「あ?てめえに関係ねえだろ」
「ぶー。つまんないよー」
「遊んでほしいならクソ髪のところにでも行け」
「きょーはかっちゃんがいーの!」
「んだそれ…」
「ねーねー、あそぼー?」
「ったくうるせえな。黙ってTVでも見てろや」


少しの間は静かにしていたが、やはり子供。ずっと静かにしているのは耐えられないようで爆豪の腕にしがみつき始めた。さすがに振り払いこそしないものの、面倒そうな顔で爆豪が名前を見る。何を言っても爆豪がいい、と言う名前に諦めたようにため息を付いた後、共有スペースのTVのリモコンを手に取りTVを付けた。


「かっちゃんもみる?」
「ああ」
「じゃあいっしょにみよー!」
「……何してんだ」
「なまえねー、おうちでてれび見る時いつもこーしてるの」


教育テレビにチャンネルを合わせればタイミング良く子供向けの番組が放送されており、名前はキラキラした目で画面を見る。一緒に見ようと誘ってくる名前に空返事をしながらスマホを見ていると、名前が爆豪の膝の上に乗ってくる。名前の頭を片手で鷲掴みにすれば至極当然、と言った顔で名前が返す。

降りる気はさらさらない名前は、そのまま爆豪の膝の上に座り、爆豪の胸に背中を預けてTVを見始めた。こうなってしまえばスマホを見ようにも名前が邪魔で見ることができない。さっさと膝から降ろしてしまえばいいものを何故かそれが躊躇われた爆豪はため息をついて興味のない子供向け番組に目を向けた。


「…マジか」
「意外と爆豪って面倒見いいよな」
「寝てるだけならまだ可愛げあるよな」


二人がTVを見始めて数時間後。共有スペースにやってきた上鳴、瀬呂、切島はソファで一緒に眠る爆豪と名前の姿を見つけて顔を見合わせた。その後、爆豪の洋服をガッチリ掴んでくぅくぅ、と寝息を立てる名前と、まるで名前を抱き枕の様に抱えてすぅすぅ、と眠る爆豪を微笑まし気な目を向ける。

暫くして、先に目が覚めた名前が爆豪を起こそうとして一悶着あったり、上鳴が寝ている二人を写真に撮ったことで爆豪に怒鳴られたり、結局その写真がクラス全員に見られたりするのはまた別のお話。


狂犬と眠り姫


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