※超短い※
毎日のように夢を見た。
俺の目の前で、女の子が泣きじゃくる夢を。
どうしたのかと声をかけたいのに口は動かず、手を差し伸べようとしても体が動かない。
毎日、ただ泣きじゃくる女の子を見つめているだけの自分に腹が立った。
名前も知らない、会ったこともない女の子だろうと関係なかった。
いつも泣いている彼女の笑顔が見たい、名前が知りたい。
そう、思うようになるのに時間はかからなかった。
そんなある日、上陸した島で彼女に出会った。
夢で見た時と同じように、ぽろぽろと宝石のように煌めく大粒の涙を流して座り込んでいる。
嗚咽を我慢するように唇を噛み締めて、必死に涙を拭う姿に胸が締め付けられた。
堪らずに手を差し伸べて、彼女の前に跪く。
「あなた、は…?」
「やっと、君の涙を拭ってあげられる」
不思議そうに俺を見つめる綺麗な瞳から流れた雫をそっと指先で拭う。
俺は、この日を待ち望んでいたんだ。
まずは、君の名前を聞かせて。
「俺の名前はサンジ。麗しいレディ、君の名前を聞いても?」
.