いつもの時間になっても起きてこない妹にやれやれ、とため息をつく。
「やっぱダメか?」
「ああ、この天気だからねい。しょうがないよい」
「だよな。とりあえずこれでも食わせとけよ。空きっ腹で薬は飲めねぇだろ」
コーヒーの入ったマグカップを置いて立ち上がった俺を見てサッチが声をかけてくる。
それに軽く答えて部屋を出ようとすると、水の入ったグラスと小さなマグカップに入ったスープとリゾットが乗ったお盆を渡される。
俺たちからすれば腹の足しにもならねぇくらいの少ねぇ料理を片手に医務室に寄ってから妹の部屋を訪ねる。
ノックをすると帰ってきたのは微かなうめき声。扉を開ければ奥のベッドの膨らみがもぞもぞと動いて、大きな真ん丸の目がこちらを見た。
「まるこ?」
「大丈夫、じゃなさそうだねい」
布団から出てきた顔は真っ青で、思わず苦笑いが零れる。額に手を当ててみるが熱はない。
少し食べて薬を飲み、しばらく寝れば治るだろうとおぼんを渡せば妹の顔がふわりと緩む。
「ごめんね。迷惑かけて」
「迷惑だったらここまで来てねぇよい。気にすんな」
「サッチにも、ありがとうって言っておいて」
「ああ。わかったよい」
ゆっくりと食事をし、渡した薬を飲んでベッドに横になった妹が俺を見て眉を下げる。
そんな妹の頭を撫でて布団を肩まで引き上げてやる。少しすると、すうすうと寝息が聞こえてきて先程よりも赤みの戻った頬を見てホッとため息が零れた。
もう一度妹の小さな頭を撫でて部屋を出る。窓から外を眺めれば、妹を労わるように太陽が顔を出した。
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