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恥ずかしいことに、ファミレスで、二人の前でぼろぼろと号泣してしまった私は二人に合わせる顔が無いと帰ってから浴室で頭を抱えた。

あの日、降谷さんと諸伏さんは一頻り泣いた私の分まで会計を済ませ、当然のように家まで送り届けてくれた。そして、最後まで私の事を聞こうとはしなかった。

ある程度察してはいるだろうが、それがイコール真実とは限らない。彼らとて、高校一年生の私がどうして一人暮らしをしているのか、高校一年生の私が働いている訳でもないのにまとまったお金を持っているのか。質問したいことは沢山あるはずだ。

別に隠している訳でも無いが、両親の死や親戚の話は積極的に話したい内容では無い。まして、その話を聞かせて可哀想だ何だと悲劇のヒロイン扱いされるのも御免だ。

とは言ってもいつまでも二人に気を使われるのも嫌だし、私もモヤモヤしているのを隠して二人に会うのも嫌だ。正直とんでもなくワガママなことを言っている自覚はある。全部は言いたくないけど、全部を分かって欲しいなんて。あまりにも自分勝手すぎる考えにため息を我慢できずにはいられなかった。

「はあ…」
「天野?」

あの日から、登校時間と帰宅時間をほんの少しだけズラした。二人にどんな顔をして会えばいいのか分からなかったから。最近会ってないけど元気?と何度か来ていたメッセージには大丈夫ですよ、と返すばかりで私から連絡をすることは一度も無かった。

そんな状況で背後から呼ばれた自分の名前にびくりと形が跳ねて、恐る恐る振り返る。私を見てにこりと笑った降谷さんにヒュッと息を飲んだ。あ、すっごい怖い。あの笑顔怖い。何かよく分かんないけどすごい怖い!逃げたい!

「思ってたより元気そうだな」
「お、おかげさまで…?」
「この後、時間あるか?」
「随分使い古されたナンパ文句ですね」
「その減らず口が叩けるくらいなら大丈夫だな」
「ひはひれふ」

割と強めに降谷さんから抓られた頬がぴりぴりと痛む。賢い彼らは私が意図して避けていたことをきっと分かっている。そして、優しい彼らはそれが少なからず自分のせいだと感じているのだろう。そんな事ないのに。

「天野さんに避けられてるって気付いてからゼロ機嫌悪くってさ」
「そんなんじゃない」
「はいはい。素直に天野さんに避けられてショックだったって言えばいいのに」
「だから…」
「ぶっちゃけ俺はショックだったよ?」

降谷さんの後ろからひょっこり顔を出した諸伏さんが肩を竦めて笑ってから、私の頬を優しく抓る。情けなく下がった眉と少しだけ落ちた声のトーンにずきりと胸が痛む。優しい彼らにこんな顔をさせてしまった事実が私の胸を刺した。
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