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「れい、くんとひろくん…かぁ、」

ゆるゆると緩む頬が抑えられない。浴槽の中でふふ、と笑みを浮かべる私は傍から見れば気味が悪いことこの上ない。だがしかし、そんなことすら気にならないくらいに私は浮かれていた。

だってだって聞いてよ!二人が私を名前で呼んでくれただけじゃなくて、名前で呼んでって言ってくれたの。もう咲桜にとってお兄ちゃんみたいなもんだろ?って悪戯っ子みたいな顔で笑ったヒロくんにじわじわと止まったはずの涙を浮かべたらまだ泣くの!?って呆れたように笑ったヒロくんにむぎゅむぎゅと頬を潰された。

僕たちの妹は泣き虫だな、なんて言って笑った零くんにもあんまり泣くと目が溶けるぞって額を弾かれた。一緒にいたい、離れたくない。私の中で大事になっていた二人の存在は、もっともっと大きくなっていて貴方の家族はどんな人?って聞かれたら真っ先に二人の顔が思い浮かんでしまうほどには二人が大好きだ。

「零くん」
「ん?どうした?」
「ヒロくん」
「どうしたの?」
「ふふっ、呼んでみただけ」

浮かれている自覚はある。いつものカフェで黒猫のマグカップを両手で持ってくふくふと笑う私に二人はクスクスと笑って頭を撫でてくる。二人に名前を呼ばれると、それだけで胸が暖かくなって嬉しくなる。私が零くん、ヒロくん、と呼ぶ度に二人が嬉しそうに笑ってくれるから私は何度だって彼らの名前を呼びたいと思うんだ。
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