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「あ、天野さん!」
「今日は無事だったみたいだな」
「いつも無事じゃないみたいな言い方…」

お礼をさせて欲しいと頼んだ私に二人は気にしなくていいと言ってくれたが、それでは私の気が済まない。せめてお礼の品を渡したいので、どこかで会えないかと提案すれば二人はそれならと頷いてくれた。日にちと時間を決めて、当日待ち合わせ場所に向かえば既に二人が待っていて思わず時計を二度見してしまった。

私、15分前に来たんだけどこの人たち一体何時からいたの?

申し訳ないと思いながら駆け足で彼らの元へと向かった私に彼らが放ったのが冒頭のセリフだ。何も無くて良かったよと茶化すように笑った降谷さんに、そんなに何度も犯罪に巻き込まれてたまるかと反論すれば、二人はそれもそうだと笑っていた。

「これ、この間のお礼です。助けてくれて、本当にありがとうございました」

二人に差し出したのは二千円分の図書カード。お礼、とは言っても何を渡そうか悩んで考えた結果がこれだった。実際、そこまで親交の深くない相手から形に残る物をプレゼントされても困るだろうし、かと言って大学生の男の人を相手にお菓子だ何だとプレゼントするのも何となく違う気がした。

どれだけ感謝しているとは言ってもあまり大層なものを渡してしまっては、逆に気を遣わせてしまうだろうと考えて選ばれたのが図書カードだったという訳だ。形に残ることも無いし、二千円ならお礼としては丁度いい額だと思う。多分。折角だから、と可愛らしい色の包み紙で覆ったそれを二人に渡してもう一度頭を下げた。

「ほんとに気にしなくてよかったのに」
「いいのか?本当にもらっても」
「お二人の為に買ったんですから、ぜひ使ってください」

ほら、自分のお金では率先して買うぞ!ってなりにくい物とかあるじゃないですか。

何て言って笑った私に二人は確かに、とクスクス笑っていた。私もよくあるんだよなあ。気になって読んでみたいとは思うけどわざわざ買って読むほどのものかなあと思ったら中々買うところまでいかなくて買わずにお店出ちゃったりするんだよね。

「じゃあ俺ずっと気になってたやつ買っちゃお」
「僕も。有難く使わせてもらうよ」

ありがとう、と図書カードを鞄に仕舞ってふわりと笑った二人の顔の良さたるや。びっくりした。イケメンってすごいのね。ぱちぱちと目を瞬かせる私に二人がきょとんと首を傾げるから何でもないです、と必死に誤魔化した。
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