遠征に向かうバスの中で具合が悪くなった雛。最初はちょっとむかむかするくらいだったんだけど、どんどん気持ち悪くなってきて、寝てしまえば楽になるかなと思って目をぎゅっと瞑ってたら縁下がそれに気付いて「雛?大丈夫?」って声をかけてくる。
「ん、だいじょぶ…」って返すけど「いや絶対大丈夫な顔じゃないだろ」って呆れられて「雛車酔いするタイプだった?」って言いながら自分のジャージを雛にかけて、鞄から水と酔い止め出してくれる縁下をぼうっと見る。「今から飲んで効果あるかは分かんないけど無いよりマシだろ」って言われて薬飲むけど気持ち悪すぎてぐったり。
「ちょっと窓開ける?」って言われるけど「いらない…」ってふるふる首を横に振るから「寒い?」って聞けば「さむくない」って返ってくる。でも縁下がかけたジャージにもぞもぞ潜り込むから(寒いんだな)ってなる。雛が誰かに頼るのが下手なのを知ってるからどうしようかなって思ってたら傍でそのやり取りを見てた木下と成田が「俺もちょっと暑いからジャージ持ってくんね?」「あ、俺も。雛いい?」ってジャージを雛に渡す。
「いいよ」って皆のジャージに埋もれていく雛を見て3人で笑ってたら西谷が「雛どうした?」って覗き込んでくる。縁下が人差し指を立ててしーって言いながら「酔ったみたい」って言えば「薬は?」って西谷が首を傾げる。「飲ませたから後寝るだけ」「んじゃほっといて大丈夫だな」「うん。頃合い見て起こすよ」ってやり取りをしてると田中もひょこっと顔を出して「つーかお前よく酔い止め持ってたな」って笑うから「あー…ほら、日向が吐いた時あったろ?なんかあってもいいように一応鞄に入れといたんだけど正解だったな」って苦笑い。
「あーあれな」ってケラケラ笑ってたらジャージの山の中から小さい声で「うるさあい…」って声が聞こえてくるから益々笑っちゃう。「へいへい。悪かったな」って田中が笑って縁下がぽんぽんって山を叩けばすぐに静かになってすうすう寝息が聞こえてくる。そのまましばらく寝て、目を覚ました雛が心なしかすっきりした顔で「ありがと」ってふにゃっと笑うんだよ。