意外と演技派な雛。ババ抜き最強だから「ババ持ってるくせに持ってない顔すんだよ」「まあそういうゲームですからね」「人に渡すのも上手いけど躱すのも上手いんだよ」「そういうゲームですもんね」って真剣な顔で田中と西谷が言うから月島と山口が呆れてる。
「お、何だ何だ。ババ抜き最強王の私に何か用かね」「呼んでないです」「なんだと月島こら」「やめてください」って雛も入ってきてあっという間にうるさくなる。「まあ実際私が強いんじゃなくて田中とノヤがチョロいだけよね」「あっやっぱり」「おいコラ山口やっぱりってなんだ」「言葉のままですよ田中さん。ぷぷ」「上等だ月島!そこまで言うならババ抜きで勝負だ!」「そこまでってどこまでですか。何も言ってないでしょ、僕」ってどこからかと持ってきたトランプでババ抜き大会が始まる。
「ビリがアイス奢りね」「よし来た」「絶対負けねぇ」「ほんとにやるんですか…」っていそいそと部室の真ん中で輪になった田中、西谷、雛、月島、山口でババ抜き大会。各自が手札を見た瞬間に雛がにんまり笑うから「手札良かったんですか?」って山口が聞けば「ううん。誰がババ持ちか分かっただけ」って言うからびっくりするね。
「えっ、もう分かったんですか?」って山口が驚くから「見てたら分かるよ。月島も何となく気付いたでしょ?」って雛が笑えば「…まあ」って返ってくる。「じゃノヤからね」って始まったババ抜きだけどあっという間に雛の手札が残り僅かになって「ふふ〜〜〜ん」って雛が楽しそうにニヤニヤする。
「クッソ…毎回運強すぎなんだよお前!」「さてはジョーカーに印付けてんな!」「言いがかりは止めてもらえますぅ〜?」って2年ズが3人できゃいきゃいする横で山口が気付いてしまう。バチッと月島と目が合えば「…何?」って月島が眉間に皺を寄せるからそこで確信。
(あっ多分これババ持ってるのツッキーだ)って気付いたけどそれと同時にさっきから月島の手札を引いてるのが雛であることにも気付いて最初のやり取りを思い出し(雛さん怖ぇ〜〜!)って怯えるよね。最初から月島にババが行ってることに気付いてて、わざと月島に声をかけてた上に、ことごとくババだけを避けてカードを引いて手札を減らしてたとなれば月島の機嫌が最悪なのも納得だ。
「さてさて、月島くんや。こっちとこっち、どっちを引いて欲しい?」「……別に。どっちでもいいですよ」「え〜〜?ほんとにぃ〜〜?」ってニヤニヤする雛に嫌そうな顔で「……じゃあこっちで」ってババを差し出せば「素直で可愛いなあ〜〜〜!」ってにこにこ笑ってそれを引くから月島もぽかんとする。
「じゃあノヤこれ引いて?お願い?」ってそのまま次の西谷にこてんと首を傾げて可愛くお願いすれば「ぜっっっってーやだ」って怪訝な顔の西谷が雛が取って欲しいってお願いした方とは真逆の方を引くんだけど「うがああああ!なんっっでだよ!」って崩れ落ちる。
「あっははは!やったやったー!」ってからから笑う雛はあっという間にババを手放すしそのまま1番抜け。その次に月島、山口が抜けてやっぱり最弱争いは田中と西谷。「アイス食べたいから早く〜」「うるせえ!今真剣勝負なんだよ!」「最弱争いなだけじゃん」「最強だからってニヤニヤ笑ってんじゃねぇぞ!」「最強でごめんね」「だああああうぜぇ!!」って3人でぎゃんぎゃんした末に田中が負けて「ごちで〜す!」「くっそおぉぉぉ!!」ってなるの青春だね。