ボール激突事件A

病院で目が覚めたら烏養と武田にめちゃめちゃ心配されてて一瞬何が何だか分からなくてぽかんとしてしまう雛。「何があったか覚えてるか?」って聞かれるけど思い出せるのは何かに吹き飛ばされて澤村と黒尾が一生懸命何かを話している姿だけ。

「僕も皆から聞いた話だから、見ていた訳では無いんだけど…」って状況を説明されてゾッとする。「か、帰ります…!私大丈夫です!」ってベッドから降りようとする雛だけど病院からOKが出ないと帰れないから烏養に止められる。

雛の心の中は自分にボールをぶつけてしまった木兎のことでいっぱいで(メンタルやられてたらどうしよう。私のせいでバレーするの怖くなったりしてたらどうしよう)って悪いことばっかり考えちゃって泣きそうになる。不安でどうしようもなくて無意識にベッドのシーツを握りしめちゃう。

ようやく病院からOKが出て帰れることになって学校に戻って真っ先に向かったのは木兎の所。皆は雛が帰ってきた!って迎えるつもりでいたのに烏野はもちろん、音駒の人達も総スルーでまっすぐ木兎の所に行くから皆(あれ!!?!?)ってなる。

「木兎さん…!すみませんでした!」って勢いよく頭を下げる雛に「えっ!?ちょ、待って待って!謝るのは俺の方だから!ほんとごめんな…!」って木兎も謝るけど雛は泣きそうな顔で木兎の手をぎゅっと握って「ほんとに、ごめんなさい。木兎さんは、何にも悪くないです」

「木兎さんの手は、チームを勝利に導く、エースの手です。だから、あれは木兎さんのせいじゃないです。私が、あんなとこでぼけっとしてたのが悪いんです。だから、本当に気にしないで下さい」って何度も言うから木兎も梟谷の人達も皆ほっと安堵の息を吐く。

「でも、痛かっただろ」って木兎がしょんぼりしながら言うから雛が「私より、木兎さんの方が痛そうじゃないですか」ってくすくす笑って「大丈夫です。木兎さんのキレキレストレートと、超インナー見せてくれたら元気になります」って言うからつられるように木兎も笑っちゃう。

自分よりも選手、な雛にその場の皆がかっこいいなって思ってる。多分何人かはこの瞬間に恋に落ちててもおかしくないかもしれない。この件をきっかけにして梟谷の人達にも絡まれるようになって交流が増えるし、梟谷に取られまいとムキになる烏野と音駒がいたりするかもしれない。

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