｢そんな感じで皆から総出で反対されました｣｢いやまだ付き合ってすらないじゃん？｣｢エッ付き合う予定あるんですか？｣｢んっぐ、ちが、ちょっとすぐ揚げ足取るの止めてくれる？｣なんて、及川と何度目かの電話をする雛。
｢冗談です｣ってけらけら笑う雛に及川が｢雛ちゃん俺の方が年上だって分かってる？｣って言うから｢？分かってますよ…？エッもしかして留年とかしててもっと年上だったりするんですか…？｣って言ったら｢そういう意味じゃなくて｣って言われて笑っちゃうよね。
｢すぐこうやって揶揄うからってことですよね。分かってますよ。でも及川さんと話すの楽しいんですもん。だめ？｣って聞いたら｢……ダメじゃないけどさぁ｣って不貞腐れたような声が返ってくるから｢なんか不満そうですね｣って笑ったら｢そりゃあ…、…なんでもないよ｣って言われて首傾げちゃう。
｢次に会ったら覚えとけ、みたいなこと言ってたんで覚悟しといた方がいいですよ｣って笑ったら｢ええ…雛ちゃんとこの主将くん怖いんだよなぁ｣って苦笑いする声が聞こえてきて｢いやいや1番怖いのはスガさんですよ｣って言ったら｢エッ、スガってあの爽やかくん？｣って驚いた声が返ってくる。
｢ですです。その人が1番怖くて、見た目1番怖い旭さんが1番怖くないです。うちのエースなんですけど｣って言ったら｢なにそれ…烏野全然分かんないんだけど｣って嫌そうな声がするから｢あはは、すぐ慣れますよ｣って声を上げて笑っちゃう。
そういう何て事無い話をして｢それじゃあまたね｣｢おやすみなさい｣って電話を切るんだけど、（…しょっちゅう電話しておやすみって電話切ってんの恋人同士かよ…）って雛は思ってるし、及川は及川で毎回ちゃんと電話に出てくれて沢山話をしてくれて電話を切る時にはおやすみって言ってくれる雛に割と本気で心が傾きかけていたりする。