偶然と呼んでも良いもものか否か

お休みの日に買い物に行った雛。たまたま花巻と出会ってお互い「あ、」「お、」ってなる。「こんにちわ」って挨拶したら「こんにちわ。1人?」って聞かれて「です。暇だったので散歩も兼ねて」って笑って返したら「あ、じゃあ今暇なんだ?折角だし、一緒にお昼どう?」って誘われて一緒にお昼。

「及川と毎日電話してるってマジ?」って聞かれるから「毎日は嘘ですね」って返したらげらげらお腹抱えて笑って「やっぱりな。だと思った」って言うから、話を聞いたら俺と雛ちゃんは毎日電話するくらい仲良しなんだ、的なことを話していたと教えてくれる。

「つまりあれですか、自慢ですか」って言ったら「ぶはっ、そうそうそれ」って大笑い。「まあ及川さん話上手だし楽しいからいいんですけどね。むしろ、及川さんの時間を奪ってないか心配してます」って肩を竦める雛に花巻がきょとんとする。

「どゆこと?」って花巻が聞いたら「だって女の子にうつつを抜かしてる暇無いでしょう?練習もあるだろうし、3年生だから受験もありますよね?そんな状況で私に電話してくれるの、なんか申し訳なくて」って雛が言うから「アイツが雛ちゃんに電話する理由、分かってる?」って恐る恐る花巻が聞いてくる。

「え、変な男に絡まれてた私のメンタルのアフターケア…?」って首を傾げるから(あ〜〜〜そういうことね???)って名探偵花巻が爆誕。「まあでも、最近はちょっと違うのかなって思ってないこともないけど、それはまぁ…はい」って濁すから名探偵花巻の称号剥奪。一変して(あっれ全然分かんね)って迷宮入り。

それから一緒にお昼を食べながらお喋りをして「楽しかったです。ありがとうございました」って雛がぺこっと頭を下げる。「ぜーんぜん。むしろ俺の方こそ無理やり誘ったみたいになっちゃってごめんね」って花巻が謝るから「そんな事ないです!すっごい楽しかったです」って再度お礼を言う。

「そう言って貰えてよかった」ってちょっと恥ずかしそうに笑った花巻に「あ、そうだ。また及川の面白い話聞かせて欲しいからさ、俺も連絡先貰っていい?」って言われて「あはは、及川さんに対抗でもするんですか?」って笑いながら了承する雛。

連絡先を交換して「じゃあまた」「また連絡するから、ご飯いこ」「はい、是非!」って別れたその日の夜、及川から電話がかかってきて「マッキーとご飯とか聞いてないんだけど!?ていうか俺とのデートは断るのにマッキーとは行ったの!?」って言われて「子供ですか。たまたま会っただけですよ」って苦笑いしてしまう。

「俺も雛ちゃんと一緒にご飯行きたい」って拗ねたように言われるから「今度行きましょう」って言えば「今度ね!絶対だよ、約束」って言われるから「はい、約束です」って笑っちゃう。雛が及川の気持ちに気付いているのか、花巻が雛をどう思っているのかは神のみぞ知るのである。

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