本気で向き合う覚悟が無い奴はお断り

烏野が全国行ったのをきっかけに学校の女の子達から嫉妬される雛。「男子の部活のマネージャーとかちやほやされたいだけてしょ」とか言われるようになるし、こそこそ陰口言われたり、すれ違いざまにボソッと悪口言われたりでちょっとずつストレスが溜まっていく。

明らかにイライラしてる様子の雛に「どうしたんだよ」って木下が聞いたら「ほんっっとにムカつくの!聞いて!」って怒り出す。一通り話を聞いて「女って怖ぇ〜…」って引き気味の木下に「怖かないのよ。めんどくさいだけ」って眉間に皺を寄せるから「まぁ、あんまり気にしすぎんなよ」って木下が頭を撫でる。

「んん〜…」って納得してない顔で唸る雛に笑っちゃうけど、ストレスが溜まってることは誰が見ても明白で。木下から成田へ、成田から縁下へ、って感じでどんどん話が伝わってって2年ズの皆が状況を把握した頃に、丁度雛が3年の先輩達に呼び出される。

「エッやばいんじゃ…?」「こんなん漫画でしか見た事ねぇよ!」って言いながら皆で慌てて雛を追いかけたら体育館裏なんていうベタな所で3年の派手目な先輩達に絡まれる雛を見つける。色目使うな、さっさと辞めろ、ブスのくせに。なんて酷い言葉が飛び交う状況に2年ズも黙って見てられなくて出ていこうとした瞬間、雛の静かな声が響く。

「あの、一応言っておきますけどバレー部の皆は真面目に、本気でバレーに向き合ってるんです。恋だ何だってうつつを抜かすことなんてしないし、それを理由にしてバレーを疎かにしたりはしません。私はそんな皆を本気で支えたいと思ってるからマネージャーをやってるんです。」

「今まで見向きもしなかったくせに全国行って有名になった瞬間これですか?私は、貴方達より長くバレー部の皆を見て、支えてきました。ミーハー心でマネージャーが羨ましいとか、ちやほやされたいとかくだらない事言ってる暇があるなら受験勉強でもしたらどうですか?」

「ちやほやされたいなら頭良くなって学年1位でも全国1位でも取ればいいんじゃないですかね?勉強教えてくれとか、頭良いのすごいね、とか沢山ちやほやされますよ。良かったですね」ってすごい勢いでまくし立てるから聞いてた2年ズも(う、うわぁ…)ってなる。

木下は雛から直接話を聞いてて物凄くイライラしてることを知ってたから尚更うわぁって思ってる。「は、はぁ!?」って言い返したいのに言い返せなくて言葉に詰まった先輩が雛を殴ろうとして手を振り上げるから「雛!!部活始まるぞ!!」って西谷が声を上げる。

バレー部に見られていることに気付いた先輩達はビクッと肩を揺らして舌打ちしてから走っていなくなるけど「見られて困ることしてる自覚あんなら最初からやんなばーーか!!!」って雛が叫ぶ。「だから煽るのやめなさいって」って縁下に後ろから頭にチョップされて「あでっ」って頭を押さえる。

それでも怒りの納まらない雛が「だってあの女達!」とか言うから「あの女って…」「やっぱ女子怖ぇ〜」ってなる。納得してませんと言わんばかりの顔で眉間に皺を寄せた雛が「だって、あんなの、皆がバレーじゃなくてマネージャーのことをちやほやしてるって言ってるようなもんじゃん。真面目にバレーしてる皆のことバカにされて、黙ってられるわけないじゃん」って悔しそうにする。

「いや、多分あの先輩達はそういうの考えてないと思うが…?」って田中ですら苦笑いするけど雛にとっては先輩達がどう思っているか何て関係ない。バレー部が絡むと超過激派になるし、自分より皆の方が大事な雛。この事件は2年ズが話したことで3年にも1年にも知られるし、ちょっかいかけてきた先輩達はバレー部とすれ違う度に冷たい目で見られるようになるから結果的に雛の大勝利。

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