ひよこが駆け巡る!





私は部活の定休日に黒尾先輩の家にお邪魔していた。彼の家には何度か来たことがある。

が、黒尾先輩は私そっちのけでテレビに夢中になっている。画面を見ていると、バレーの特集が組まれていた。こんな時まで部活熱心な先輩だ。

私は少しばかり心細くなって、黒尾先輩の後ろからそっと抱きついてみたり、背中に"メロンパン"と書いてみたり、いろいろな仕掛けをした。

真剣にテレビをみてる黒尾先輩にちょっかい出し続けてたら、急に彼が勢いよくこっちを振り返った。怒られると思い、咄嗟に逃げようとしたら腰に手を回され横に座らされた。画面を見ながらほんのり顔を赤くした先輩は

「お前のせいで内容全くわかんねぇ、可愛いことすんな馬鹿」 

なんて言い出すものだから、顔が熱くなった。黒尾先輩は軽々と私を抱き上げて、自分の胡座の間に座らせる。つまり今度は黒尾先輩が後ろから私を抱きしめる形になっている。あれ、なんだろうこの羞恥プレイ。

『でも、黒尾先輩が構ってくれなくて、寂しかったんです…』
「それが可愛いって言ってんの、いい加減気づかねぇ?」

首筋にキスを落とされる。キスをされるのに未だに耐性のついていない名前は今すぐにでも逃げたい衝動に駆られていた。

それに気づいた黒尾先輩は新たに仕掛けを投じてきた。なんと、徐に私を擽りだしたのだ。

擽りが弱いのに、それも知っててくすぐってくる先輩。擽られるのが嫌で抵抗してると、いきなり手が止んで、安心し切ってる時にぎゅっと抱き寄せられて

「いやー、本当たーのし。…もっといじめて良い?」

って意地悪に耳元で言われた。

『いじめて良い?って聞かれて良いって言うほどMじゃないです!』
「でも俺はもっといじめたいんだけど」
『……黒尾先輩意地悪です!』
「そんな俺も好きなんだろ?」

狡い。その一言に尽きる。そう、そんな彼を好きなのは、紛れもないこの私。

『はい、……大好きです!本当に本当に、本当に大好きです…!』
「うぉ、直球だな…。でも俺は名前のそういう所も好きだぜ」

首筋へのキスは、優しい頬へのキスに変わっていた。なお抱きしめる力は弱まらないまま。

「なんかそろそろヤバイ気がする」
『どうしたんですか?』

私がそう問うと、黒尾先輩は不敵にニヤリと笑った。こういう顔をするときはいい予感がしない。

「名前は俺が大好きなんだよな」
『はい!大好きです!』
「じゃあさ…」

そして黒尾先輩は私の体勢を変えて、体をおもむろに押し倒し始めた。両手は先輩の片手にガッチリと拘束されている。

『先輩……!?』
「元気づけてくれるよな、俺が好きなら」

私の口角が引き攣った。私の中の警報がガンガンなっているのに逃げられない。

あぁー、誰か助けてーー!

リクエスト:ミユ様より
甘々になりました!?

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