「「キャプテン!!」」
「?」
終始和やかなムードだったけど、翔陽君と影山君の息ピッタリな大声によってそれは打ち破られた。月島君と話をしていた澤村先輩が呼ばれたことで視線は一気にそちらに向く。
「何……、…!」
澤村先輩が二人の方を見ると、差し出されていた二枚の入部届け。その二枚はすっかりクシャクシャになってしまっている。その入部届けをどこか安心して受け取った澤村先輩が潔子先輩を呼んだ。
これで晴れて二人は正式な部員と言うわけですね。
「清水、アレ、もう届いてたよな?」
その質問に対して無言で頷く潔子先輩。そして慌ててついていく私。アレって…もしかして今日届いたらしいダンボールの事?だとしたらダンボールを運んでこなければいけない。
『潔子先輩!持ちます』
「ありがとう」
麗しい潔子先輩の手を煩わせるわけにもいかないので、ここは後輩である私がダンボールを運ぶ。大きさのわりには中身は軽い。
「うおおぉぉぉ!」
「多分サイズ大丈夫だと思うけど何かあったら言って」
「あざーず!!!」
中身を開けてみると、伝統の烏野排球部と書かれたジャージがお目見えした。黒を基調としたそのジャージはまさしく烏の漆黒を表している、のかな。
さっそくジャージに袖を通した翔陽君と影山君は、頬を赤くして期待の表情を見せている。
「お前も着てみろよ〜」
「いや、僕はあとでも_」
「恥ずかしがりやか!いいじゃねぇか着てみろ!」
「〜〜〜〜…」
見たこともない渋い顔をした月島君は、渋々ジャージを着た。渋っていたわりにはきちんと着こなしている。さては月島君は何を着ても似合うタイプだな。
「おう、似合ってるぞ!」
「うんうん、似合ってる、似合ってるぞ〜!」
『翔陽君、カッコいい!』
月島君の横で、チラチラとジャージを見せてくる翔陽君の動きが面白かった。
「名前ちゃん、貴方にもあるよ」
『ほ、本当ですか!?』
まだ段ボールにあった黒いジャージ。それは紛れもなく潔子先輩が着ているものと同じ色。
「はい、これは名前ちゃんの」
『私の………!着てみてもいいですか?』
「うん、もちろん」
流石に下は着替えられないので、上だけをもともと着ていたシャツの上から着る。サイズを言っていないのにピッタリで、さすが潔子先輩の目は違うなと思った。
「…これから、烏野高校バレー部としてよろしく!」
「「…おす!!!」」
『はい!』
痺れるような言葉。
そうだ、私は今日から烏野高校バレー部…。かつて小さな巨人が在籍していたらしい高校でマネージャーとしてお世話になるのだ。
「早く練習試合がしてぇな」
「練習試合…!!他の学校と…試合…!」
『練習試合…!初めての練習試合…!』
翔陽君と似たような言葉を言ったら、影山君に不審な目見られた。顔が"なんでお前ら同じような事言ってるんだよ"と物語っている。
「組めた!組めたよーっ!練習試合っ!!!」
いきなりどこからともなく聞こえてきた見知らぬ声は、体育館中に響き渡った。
「相手は県のベスト4!!"青葉城西高校"!!」
「"青城"!?」
「ゲッ!」
「どうやって組んだんだろ…」
メンバーからは驚愕の声が上がる。県のベスト4と聞いただけで震え上がってしまう。青城高校は中2の時、一度だけ文化祭に行ったことがあるだけで、あとは何も知らない。まさかバレーが強かったなんて。
でもベスト4の高校と練習試合……!わくわくしますね!
そして、ところで…。
今来た先生はどなたですか!!