『リエーフ君!』
「ん?どうした?」
突然名前に名前を呼び止められたリエーフが、不思議そうに返事をした。名前の方から呼び止めることは多々あるため、そこには驚かなかったが、今回はいつもと事情が違う気がするのを勘で感じた。
『高い高いしてください!』
言葉の意味を覚えたての幼児のように元気に言い放つ。それをみたリエーフは、身長差もあってか本当に名前が幼稚園児に見えたという。
「いいけど、急にどうしたんだ?」
『リエーフ君は身長が大きいから、いろんな人を上から見てみたくて』
「おっしゃ、じゃあいくぜ」
キラキラと感情の全てを輝かせる名前の好奇心に、リエーフは俄然願いを叶えてやりたいという思いが強くなった。
『あ、でもストップ!』
「ん?」
『私、重いから、その…無理だったら正直に言ってね?』
控えめな様子にまたグッとくるものを感じたらしい。
「大丈夫。俺毎日鍛えてるし、名前のこと持てないくらい柔じゃねーよ」
それは名前にとって最高に安心する言葉だった。しかし鍛えているといっても、レシーブに関してはまだ夜久さんに扱かれているため発展途上と言えるが。
『ありがとう!頼りにしてるね』
「おう」
そう言って、リエーフは名前を持ち上げる。体重は天使の羽のように軽いとはお世辞でも言えないが本人が気にするほど重くない。腕の筋肉を絶賛つけ中のリエーフにとっては、彼女1人持つくらいなら造作もないことだった。
が、持つ場所が若干可笑しいことと、リエーフの手が大きいせいである現象が起きてしまった。
名前の胸の下あたりに手を置いたはいいが、彼女の胸を下から持ち上げるようにして抱えてしまったのだ。
それはつまり、リエーフが彼女の胸を触っていることになる。
そのことに気づいたリエーフは直ぐにでも降ろそうとしたが、今急に降ろせば怪しまれると感じ、それは出来ずにいた。リエーフはこの絶望的な状況下で悶々とした気持ちになっていたのだ。
名前自身はなぜか全く気にしておらず、リエーフが理性と闘っている時に"やっぱりすごい!みんなのつむじが見える"などと呑気なことをいっている始末である。
「なぁ、そろそろいいか」
『うん、ありがとう。手、疲れたよねごめんね』
体力的にはなにも問題はない_、問題なのはリエーフの理性である。
リクエスト:しいなぎ様
リエーフはこの後悶々とするのでした。