寛乃様リクエスト
【ifで菅原さんと恋人】
「ねえ、名前」
『はい?』
お昼のぽかぽかしたデートの日に孝支さんはある質問をしてきた。
「もし子供が出来るなら、女の子と男の子、どっちがいい?」
『…………えぇっ?!』
思わず大きな声を出してしまった。しかし丁度周りもザワザワしていたため、変な目で見られることはなかった。
デートは久しぶりなので浮かれていた。そんな時にこの質問。孝支さんは何を思ってこの質問をしてきたのだろう。
孝支さんが問おうとしているのは、自分達の間に生まれたらという話だろうか?まさかそれ以外の話をするわけがないか。
「俺がこんな質問するなんて、意外だった?」
『…いえ、ちょっと驚いちゃっただけです!』
私はその孝支さんの言葉で少し気持ちが温かくなる。少し驚いたけど、先の未来まで考えてくれていると思うとニヤける。
確かに子供は欲しい。しかしそれはまだずっと先の話で。2人だけで生きていけるほどの財力もないし、知識もない。この世の中を生き抜く力はほとんどない。
でも、高校の時からずっと側から離れずに、今こうしてようやく結ばれた大切な人がいる。私たちが愛した証を形で残したいと思うのは可笑しい事かと悩んだこともある。
こういう質問をしてきたって事は、きっと孝支さんも子供がほしいということだ。
『私は男の子がいいです』
「どうして?」
『男の子だったら孝支さん似の子が生まれるのかなって!』
勿論生まれてきてくれるのであれば性別は気にしない。しかし彼似の子供なら尚更いい。
「俺は女の子がいい。名前によく似た女の子だったら最高じゃん」
彼はにししと笑う。その笑顔をいつまでも見ていたい。
『…でも、もし女の子の子供が大きくなったら、きっと孝支さんと結婚するーって言い出すと思うんです。だって、孝支さんカッコいいから…!』
なんだか我ながら恥ずかしいことをさらりと言ってしまった気がする。そう言った後の彼の顔はとても柔らかくて、やっぱりカッコいいなと思った。
「似たようなこと考えるんだな。俺も丁度そんな事を考えてた」
『えっと、それってつまり』
「俺もやだよ、名前に懐く息子なんて。けどどっちが産まれるかなんて分からないよな」
『ふふ、そうですね…』
なんだか胸が擽ったい。なんだか既に結婚した気分だ。
「名前が子供欲しいって思うなら、余計俺も欲しい」
『孝支さん…』
孝支さんは、こんなにも私を安心させてくれる。その笑顔だけでもう沢山の幸せを与えてもらったのに、「子供が欲しい」と言ってもらえるなんて。
これ以上何かを望んだら…本当にバチが当たるかも。
『でも、もし子供が生まれたとしても、私をずっと好きでいてくださいね?』
「当たり前だろ?ずっと名前を好きでいるに決まってるべ!」
ただ繋いでいた手が恋人繋ぎへと変わる。こんな幸せな日々がこれからずっと続くといいなぁ。