ひよこが駆け巡る!





みどり様リクエスト
【木兎、黒尾、赤葦でお風呂上がり】

マネージャーの皆さんと一緒にお風呂に入った後の帰りだった。ポカポカに体が火照って、疲れも癒されたそんな時に、気が抜けていたのか、更衣室に忘れ物をした事に気がついた。マネージャーの皆さんには先に行ってもらう事にして、取りに戻る。無事それ見つけて女湯の暖簾をくぐった時、偶然男子の方から出てきた赤葦さんと遭遇した。

後から出てきた2人はどなたか存じ上げないが、何処かで見たことがある気がする。

『今上がりですか?』
「そうだよ」

唯一知っている赤葦さんに話しかけると、後ろの2人の視線を感じる。うーん。やっぱり知っている人のような気がしてならない。赤葦さんと一緒にいるってことは知り合いで間違いないんだろうけど。

「名前ちゃん、いい匂いすんな。やっぱ女子っていいわ〜」
『…ん?ありがとう、ございます?』

黒い方の人が喋り出したが、どうも黒尾さんに似ている…、ような。名前を呼ばれたということは私の知り合いである可能性が高い。しかしまだ確信が持てない。ここで間違ってしまえば失礼だ。


『赤葦さん』
「どうした?」
『後ろの方たち、どなたですか』

なるべく小声で、聞こえないように語りかける。赤葦さんは私より大きいから、後ろの人たちには聞こえていないだろう。すると、赤葦さんが堪えたように笑い出した。

「ヘイヘーイ!何こそこそ話してんだよ、お前ら!俺も混ぜろよ!」

このテンションを聞いて木兎さん以外だとは思えません。

『……ま、まさか』
「うん、そのまさか」

赤葦さんを見上げた後、後ろの2人を見る。よくよく見てみれば2人のような…。確信は持てないが、だんだん2人にしか見えなくなってきた。

『黒尾さんと木兎さんだったんですね!』
「……?」
「あー、なるほど」


木兎さんにははてなマークが10個くらい浮かび上がっているが、黒尾さんは言わずとも分かったようだ。髪型一つでこんなにも別人に見えるとは思いもしなかった。

『お風呂上がりだととっても色っぽくなるんですね……』

雰囲気がガラリと違う2人を見ても恍惚のため息をつく。いつもの倍以上大人に見える。歳が5歳くらい増しているのではないだろうか。

「なに!?じゃあ俺年がら年中風呂上がり目指すわ!!」
「なに言ってるんですか…」

「じゃあ俺は風呂上がりは名前ちゃんのところ通いつめるわ」
「黒尾さんまで……馬鹿ですか」
「木兎は馬鹿でいいけど、僕は至って真面目です」
「馬鹿って言わないで!地味に傷つく!」
「あー、はい、すみません」
「心が籠ってない!!」

またいつものような絡みが始まった。喧嘩でもないじゃれ合いのような会話は、いつも私を楽しませてくれる。

『ふふ、やっぱり皆さんと一緒にいると時間を忘れちゃいます』
「………!」

『なんだか疲れが一気に全部なくなりました!』

お風呂上がりの彼女の笑顔の方が、何倍も色っぽく、綺麗に見えた3人であった。

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