ひよこが駆け巡る!





烏野vs条善寺 第2セットに突入。

1セット目を取った烏野高校は、翔陽君と飛雄君がコートに戻り、いつものメンバーになった。

2セット目の1プレー目に、翔陽君と飛雄君が絶対にミスをすると読んでいた澤村先輩は、案の定ミスを犯した二人のカバーにはいった。

「…俺にはド派手なプレーは無理だけど『土台』なら作ってやれる。まぁ存分にやんなさいよ」

澤村先輩がドンと構えているから、みんなはコートの中でのびのびプレーすることができる。先輩のその言葉を皮切りに、徐々に点差を離していく烏野高校。

しかしバレーはいつだって何が起こるか分からない。

点差が開き始めて焦った条善寺のタイムアウト終了後、気合を入れなおした相手がそこにいた。そして徐々に点差を詰めてきて、ついに6点以上開いていた点差が、2点差まで詰めよっていた。

しかし、翔陽君は空中戦で覚醒したことによって、公式戦でフェイントやレシーバーのいないところへのスパイクを打てるようになった。これまでの練習の成果だ。

烏野24-20条善寺

そして迎えた烏野高校のマッチポイント。

ここで条善寺が選択した攻撃は、彼らが第1セットで盛大に失敗したシンクロ攻撃だった。その攻撃はスパイクまでは繋がったが、相手が放ったボールは惜しくもアウトという判定になった。

この瞬間、2セット目も取得した烏野高校が見事準々決勝への進出を果たした。選手たちがほっと胸をなでおろす。

翔陽君と飛雄君の速攻は格段に進化している。今日のプレーを見ていて私はそのことをしみじみ感じた。

勝利後、急いで下に降りてきた私と仁花ちゃんは、こちらに気づき走ってきた田中先輩と西谷先輩とハイタッチを交わした。

『「「「うぇーーい!!!」」」』
『お疲れ様です!』
「お疲れ様です!」

こうやって勝利の喜びを分かち合うのももちろん大切なことだが、気を抜いてはならない。私達には次がある。

ピピーーーー!

Bコートで試合をしていたチームの試合終了の合図が聞こえた。そのコートでの勝者が、私たちが次にあたるチームだ。

スコアボードを見ると、25対19で勝利したのは和久谷南高校だった。つまりはそのチームと明日、私たちは準決勝進出をかけて戦うことになる。

「一日目お疲れ様でした!」
「「「したっ」」」
「明日勝てば2連戦です。疲れを残さないようにしましょう」

一日目を終えて、烏野高校体育館に戻ってきた私たちの前で武田先生が話す。そして、次に明日の対戦相手について鳥養コーチからお話があった。

和久谷南は条善寺高校とは違い、三年生が残っているチームだ。そして守備力と粘り強さは音駒に近く、完成度の高いチームらしい。

「攻撃が上手く決まんなくて、短気起こすなよ?とくにハイテンション&単細胞組!」

その言葉は田中先輩と西谷先輩、翔陽君と飛雄君に向けて放たれた。それを自覚をしているようで、4人は背筋を伸ばした。

「大丈夫です、フォローしますよ」

そして澤村先輩は間髪入れずにそう返した。頼もしすぎて、澤村先輩にならなんでも任せても大丈夫だという安心感がすごい。

「__よし、__必ず明日も生き残る。烏野ファイ」
「「「「オース!!!」」」

選手たちが気合を入れて円陣を組む。私たちもその輪に入って掛け声をかける。

このまま勢いづいて、明日も勝つことができますように。

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