ひよこが駆け巡る!





1日の疲れを取ることができるお風呂の時間。

男子は本来であれば烏野と梟谷が使用している時間帯だ。しかしそこには自主練によって遅れてしまった黒尾とリエーフもいた。

女子側はマネージャー陣が占拠している。

そして女性陣の方へ耳をすませている一部の男子がいた。というか女子が隣でお風呂に入っているという事実だけで逆上せてしまいそうなピュアな男子もいた。

女子陣は使っているシャンプーやトリートメントの話をしている。そして、いつのまにか話題が変わった。

「名前ちゃん、仁花ちゃん、大きくなるようにお姉さんが揉んであげようか?」

『い、いえ!結構ですっ!』
「………わ、私もいいです!」
「遠慮しないでーさぁこっちこっち」

その会話だけで胸がいっぱいな男子陣が何人かいた。女子たちの会話に聞き耳を立てて、会話を聞く男子数名。

しかし日向やリエーフ、山口などはそっちのけで髪を洗っている。また、聞かなくていいが聞こえてしまう影山や月島、赤葦などは、黙ってお湯に浸かっている。また体を洗ったり、雑談をしていたりと各々の事をしている部員もいるが、そうではない部員もちらほらいる。さすがは男子高校生である。バレーから離れれば、彼らは一瞬で思春期の男子へと戻るのだ。


『うぅ………、った……、痛い………!』
「はぅうう!!痛い…………!」

すると、期待していたものとは裏腹に、両者からうめき声が聞こえてきた。けしからん事を考えていた男子陣は唖然としていた。

「我慢してー、ここが成長に効くツボだから」
『これで身長伸びますか……ったたた!』
「うーん、多分。あと、ここも」
『………っうううううう!』

予想外の出来事に、別の事を考えていた自分が恥ずかしくなっていた。純粋な一年マネを自分の中だけではあるが汚してしまうとは…。

「赤葦さん」
「どうした月島」
「あの人達さっきから何やってるんですか?」

あの人達とは、女子風呂に耳をすませて、よからぬ事を考えていた輩である。彼らは自分達の行いのやましさから、顔を手で覆ったり、突っ伏したりしている。誰とは言わない。普段の行いから察することはできるだろう。しかし、これは本人の名誉に関わることであるから、名前は伏せておかなければならない。

「さぁ、放っておけばいいんじゃない」


お風呂、それはある意味魅惑の時間であり、さらなる癒しの場である。

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