ひよこが駆け巡る!





結局合宿最後の梟谷との試合は、負けてしまった。

だけど今回の試合で収穫は多かった。

同時攻撃が上手くいったり、飛雄君が神がかったようなトスを上げたり、翔陽君との速攻を決めたり。月島君のどシャットも決まって、士気が上がった。

私たちは全てにおいて懸命にやっていた。そのお陰で木兎さんがしょんぼりする場面もあった。

それでも梟谷の防御は崩れなかった。悔しいくらいに崩れない。私たちにない要素をもっている。


梟谷は強い。
今回の東京遠征の参加高校の中で一番強い。けれど、強い相手であればあるほど、烏野は進化する。だから、烏野は梟谷と戦って大きく成長した。

梟谷との試合の後、何試合かした。どの試合もまた、とてもいい試合になった。

今回は有意義な遠征であったことは、誰の目からしても明白だ。

この合宿は私にとってもいろんな収穫があった。それはみんなと絆を深められたことだ。精神的にも身体的にも一回り大きくなれた。終わった後に、こんなにもスッキリとした気分になれるなんて思いもしなかった。

そんな素敵な時間はあっという間に過ぎていく。………もう合宿は終わりだ。

烏野のみんなとだけではなく、他校の皆さんとも仲良くなれた。特に木兎さん、黒尾さん、赤葦さん、リエーフ君とは思った以上に親しくなった。

1週間ずっと一緒にいたから、急に離れ離れになるのは寂しいなぁ。

選手が体育館を綺麗にしている間、私たちマネージャーはBBQの準備をする。

『もう終わっちゃうんですね…。寂しいです』
「だねー、会ったばかりなのに」

雀田さんがおにぎりを握りながら相槌をうってくれた。

「あー、木兎と赤葦が寂しがるね〜」
『私もすっごく寂しいです……。皆さんとせっかく仲良くなれたのに……』
「……可愛い。名前ちゃん、可愛いよ〜」

白福さんが私を可愛いと言ってくれた。そんな事を言っている白福さんの方がよっぽど可愛らしい。


『いいえ、私なんかよりずっとずっと皆さんの方が可愛いです!!』
「そんなとこも可愛い〜。」

東京から離れたら、こんな会話もできなくなってしまう。離れたくないなぁ。いっそ烏野が東京にあったらいつでも会えるんだけど。あ、でも宮城にいないと若利君や及川さん達に会えなかった。

私はただ、東京で出会ったみんなとの別れが惜しいだけだ。

離れたくないけど、出会いがあれば別れもある。


今日は合宿最終日。

お別れの日だ。

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