ひよこが駆け巡る!





Ifで稲荷崎マネ設定


今日の厳しい部活も終わり、ひと段落している時の話だ。


「名前ちゃん見とらん?」
「?見てないけど」

先ほどから名前ちゃんを探しているが見当たらない。何か用があると聞かれても何もないが、偶にからかいたい衝動に駆られる時がある。それが今だ。

彼女がマネージャーとして入部してからというもの、部活が更に楽しくてしょうがない。ただからかわれるだけではなく、その純粋さゆえに突拍子もないことを返してくるのもクセになる。今猛烈にからかいたい気分なのだが、本人がいないのならば、その欲求を満たすことができない。

少しの刺激を求めて先ほどから彼女の姿を探すも、どこにもいない。いつもなら、体育館中をちょこまか動いているからすぐに見つかるのだが。

「…あれ、サムもおらん」

そして、片割れであるサムもいないことに気づいた。

一体どこに行ったというのか。

『おいしいですねぇ』
「せやなぁ」

彼女がいると思われる場所を脳内でピックアップしていると、不意に彼女の声と、片割れの声が聞こえてきた。これは外からだ。

体育館の外を覗いてみると、二人で呑気に座りながら肉まんを食べていた。
それをどこから持ってきたんだという疑問はさておき、俺は少し気に食わない気持ちもあったが、二人の邪魔をすることに決めた。

「こんなとこでなにしてんねん」

ズガズガと二人の前に躍り出て、威圧的に話しかける。

『侑先輩も食べますか?』

俺の気も知らないで、のんきに肉まんを差し出してくる名前ちゃん。なぜ自分がこんなに苛立ってるのかを忘れさせてくれるような表情に、癒されるのを感じた。

「食べるわ」
『はい、どうぞ!あ、良ければここにどうぞ』

そうやって空いていたスペースをポンポンと叩いて、座るように促してくれる。彼女は俺たち双子に挟まれて肉まんを頬張る。この空間はどうも彼女がいるだけでふわふわしているようだ。

こんなにおいしい空間を独り占めしていた片割れに、ガツンと言ってやらないと気が済まない。

「サム、独り占めは感心せんなぁ」
「早いもん勝ちやろ」
『え!まだまだありますし、大丈夫ですよ』

この中で唯一彼女だけ会話がかみ合っていない。何もわかってないぽかんとした表情、ほんまにかわえぇな。

宮兄弟Happy Birthday!2019

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