田中先輩と似たようにパワフルで、潔子先輩好き(仮)な西谷先輩が体育館に現れてまだ時間はそんなに経っていない。
「うぉ、ノヤっさんじゃねーか!久しぶりだな!」
「よう、龍!久しぶり」
「元気だったかー!?」
「おう!!」
脳内で噂をすれば田中先輩が体育館に入ってきた。今日もやる気に満ちている様子。
先輩部員が入って来る度に挨拶をするのが後輩だ。私は元気いっぱいに挨拶をした。
『お願いします!田中先輩』
「おう、今日も早ぇな名前ちゃんは」
『早く部活に来たくてソワソワしてました』
「お前、名前って言うのか」
そういえばまだ名前を名乗ってなかった!西谷先輩は名前を教えてくれたのに。なんて無礼な人間なんだ私は。
『名乗るのが遅くてすみません!私は苗字名前といいます。』
「別に謝ることじゃねーだろ。その格好……マネージャーだな!」
『はい!潔子先輩には大変お世話になっています』
「そうか!潔子さん…!そういえば潔子さんはまだかぁ!」
『もうそろそろ来ると思います。潔子先輩……、早く会いたいです』
「おぉ、名前も潔子さんの魅力に気づいてるのか!話が分かる奴だな」
やっぱり西谷先輩は潔子先輩の大ファンらしい。どうりで話しやすいわけだ。潔子先輩のことが好きな人に悪い人はいない!田中先輩しかり、西谷先輩しかり、とても頼もしい人が多い。
『すっごく大好きです、潔子先輩が!』
「そうかそうか!俺も大好きだ!潔子さんのためだったらなんでもできる!」
潔子先輩のことを語る西谷先輩はとても嬉しそうだ。これは潔子先輩大好き同盟を作ることができそうだ。
先輩がとても嬉しそうなのはいいけど、未だに分からないのは、西谷先輩が何者かということだ。あんなに綺麗なレシーブができて、バレー経験者ではないと聞かされたら驚いてしまう。
田中先輩とタメで話しているあたり、2年生の先輩なのだろう。今までお会いしたことがないということは、烏野高校バレー部の人ではないと思うんだけど。だとしても中学校くらいで経験していないとあんなに綺麗なレシーブはできない。もし、彼が私たちバレー部の一員だったら、これほど心強いものはないのに。
(なぁ、龍)
(どうした)
(名前を妹にしてぇ…!)
(おい!俺のエンジェルに手を出すなよ!)