ひよこが駆け巡る!





「GW最終日、練習試合が組めました!!」


武田先生が嬉しそうに言った。バレー未経験者の指導者なのに、こんなにもバレー部のために一生懸命になってくれる。とても生徒想いの素敵な先生だ。

「!!」
「頼もしいな武ちゃん!どうした」
「あ、相手は!?」

やっぱり最初に知りたいのは対戦相手だろう。相手は名の知れぬ学校だったり、その逆に物凄く強豪校かもしれない。

「東京の古豪、音駒高校…!」

音駒高校……。ネコみたいに可愛い名前の高校だ。東京なんて遠い高校とよく練習試合を組めたなあぁ。これも全部武田先生の頑張りのお陰!武田先生にはお礼をしても足りないくらいお世話になっている。


「お前ら、今猫みたいとか思っただろ」
『え、ちょっと…、影山君ってエスパーだったの?いつからそんな能力に目覚めたの』
「おい、影山!お、俺はべつにそんな事思って……ねぇ、わけでもねぇ」
「ちげーよ!顔に出てただけだ。」

そんなに分かりやすい顔だったかな?翔陽君と二人して同じ顔をしていたみたい。いや、その考えに至るってことは、影山君も猫みたいって思ったってことじゃん。

「お前らなんか似てるな」
「俺も前からずっと思ってた」

つい最近復帰したばかりの西谷先輩が私と翔陽君を見比べながら言った。なんと、後に知ったことだが、西谷先輩は我らが烏野高校排球部の守護神だったのだ。こんなに頼もしい人はいない。

そして、そんな西谷先輩に続くように澤村先輩も賛同した。最近"似ている"と言われる回数が増えてきた。もちろん相手は翔陽君だ。私も行動や発言の節々が翔陽君と似ていると思うことが何度かあった。

『「そんなに似てますか?」』
「セリフまでピッタリじゃねーか!」

西谷先輩が私と翔陽君の肩をポンポンと叩く。好奇心の眼差しを向けられ、翔陽君と目を合わせる。

『翔陽君…、私たち生き別れの兄妹だったのかもしれない』
「うひょぉぉ、名前ちゃんと兄妹!?」
『翔陽君と兄弟だったら毎日明るく過ごせそうだよ!』

わぁ、翔陽君と兄弟…それも悪くないなぁ。年齢的には双子だ。でも確か翔陽君には妹さんがいたはず。だとしたら私が入り込む隙間なんてないじゃないか。

「……あいつらって本当無邪気だよな。」
「西谷が加わると更に子供っぽいな」
「分かる。近所の子供見守ってる気分になる」
「兄弟って言うより、双子のような気がしないでもないな」
「はは、そうだな」

澤村先輩と菅原先輩がそんな話をしていた横で、私と翔陽君と西谷先輩は盛り上がっていた。

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