合宿初日。
学校での補習を終えてから、さっそく練習に入る。
そして一日目のハードな練習を終えて、いざ合宿所へ。学校からかなり近い場所にあって、徒歩でそんなに時間はかからなかった。
「うぉおぉぉ!」
『わぁぁ!おーーー!』
「お前らちょっと落ち着け!」
「『だって初めての合宿ですよ!』」
合宿所の内装に感動した。いかにも合宿所って感じで、すごい。私が興奮を抑えられないのは、合宿自体が初めてであるからで、本当ワクワクしているからだ。なんか、こう…、ブワーっていう気持ちになる。
「一日中むさ苦しい連中を顔つき合わせて何が楽しいのさ」
『またそんな事言ってー!』
「だって事実でしょ』
「おい月島てめぇ!半径500メートル以内に潔子さんが居る空間はむさ苦しくねぇんだよ!」
『そうだそうだ!!』
普段反撃出来ない分、ちょっとした抵抗をしてみる。すると月島君の鋭い視線が私ばかりに向いている。え、言ったの私だけじゃなくない!?でもヒヨコだけには言われたくないって顔してる。最近彼が何を考えているのか分かるようになってきた。
「清水は家が近いから用事が終わったら帰っちゃうよ。いつもそうだろ」
菅原先輩による発言に反応を示したのは約3名。田中先輩と西谷先輩と私だ。
えぇ、潔子先輩帰っちゃうんですか!?我ら部員の癒しがいなくなってしまうなんて。
ショックのあまり、ちょっとクラクラしてしまった。
「で、でも俺にはエンジェルがいるからな!」
「エンジェル?あ、あぁ、名前のことか!おぉ、まだ希望はあるぞ!」
『す、スミマセン!私もお家が近いので帰らせていただきます!』
実はそう言う私も家に帰るのだ。すっかり忘れていた。私の発言で二人は一瞬で灰と化した。えっとごめんなさい。
でも二人は潔子先輩がいないショックがほぼ大半を占めているんだろう。
「何、ヒヨコも家に帰るの?」
『うん、そうなの』
「……ふーん。余計むさ苦しくなるじゃん」
『だって、私がいたら迷惑だろうし…あはは〜。』
癒しの潔子先輩がいないのなら私がいる意味なんてない。みんなの士気を上げることもできないだろうし、ただ迷惑をかけるだけだ。そこで、ここは速やかに帰るべきだと判断したのだ。
「そんな事思ってないけど…」
『ありがとう。月島君は実は優しいね』
「実は、は余計」
『いひゃいいひゃい!ごみぇんーて』
どうやら今月は頬っぺた抓られウィークだ。影山君しかり、月島君しかり、私の頬が何をしたっていうんだ…!反撃しようにも、二人は身長が高いから容易に触らせてくれないし、私に勝ち目はないのかもしれない。