みんなが食べ終えた皿などを洗ってから、私と潔子先輩は家に帰宅することになった。
『潔子先輩、本当にお家近かったんですね!』
「うん。すぐ近くだよ」
『私の家も歩いて10分くらいなんですよ〜。』
夜、他愛もない話をしながら一緒に帰る。潔子先輩と……。
「寝坊しても学校に間に合うじゃねーか」
影山君とともに。
どうしてこうなったのか説明するには少し時間がかかってしまう。一番手っ取り早く言えば、潔子先輩の帰宅中何かあったらいけないから、部員の中で誰かが家まで送っていった方がよいのではないかという田中先輩と西谷先輩の案である。確かに女性一人の夜道は非常に危ない。ここで、その送り迎えの役に何故影山君が推薦されたかというと、田中先輩と西谷先輩では潔子先輩の心労(?)がすごいだろうという澤村先輩と菅原先輩の意見があり、翔陽君だと潔子先輩と話すときにパニックになってしまうだろうという意見があったためこの三人以外にしようという声が上がった。そして、帰り道には私もいるということで、同じ一年生で、且つ潔子先輩にとって無害な人物ということで影山君の名前が挙がったというわけだ。
仮に夜道に潔子先輩が襲われたとしよう。非力な私一人ではお守りすることが出来ないだろうから、影山君がいてくれると非常に心強い。
「それじゃまた明日ね名前ちゃん。影山、送ってくれてありがとう」
『おやすみなさい潔子先輩』
「……ッス」
合宿所からは潔子先輩の家のほうが近かったから、先に潔子先輩とお別れをした。よし、お家の場所も覚えたぞ……。え、いや、けしてストーカーするとかそんなんじゃないですから。
『よし、無事に潔子先輩を送り届けた。影山君もう大丈夫だよ』
「…は?何言ってんだ」
『ん?もう合宿所に戻ってもいいよーって』
まだ9時前とはいえ、明日も練習だし早く体を休めてもらいたい。
「何言ってんだ、早くお前ん家行くぞ」
『え、でも、早く休んでもらいたいし』
「合宿所には走って帰る」
『いいよいいよ!潔子先輩送ったし!』
「ずべこべ言うな。帰るぞ」
なんて良い人なんだ。全然無愛想な人じゃない!最初の頃、ちょっと気難しい人とか思ってごめんなさい。
『ありがとう。すっごくありがとう!』
「早く行くぞ」
『うん!』
宮城の星空は綺麗。その中でも森に囲まれているこの烏野からみる星空は最高だと思う。空気も澄んでるし、なんだか幻想的。
ここに住んでいることはとても幸せなことだ。
私は今日までのバレーの日々を思い出しながら大きく深呼吸をした。