みんなは潔子先輩と私が作ったハンバーグをガツガツ食べている。男子高校生の食事の量には驚かされてばかりだ。私が想像していた量の倍をぺろりと平らげてしまう。
そして、時間が経てば経つほど追い詰められてくる。デザートタイムが近づいてきている。積極的に話しかけて、少しでもケーキを食べる時間を引き延ばそうとしたけど、それも虚しく。そろそろ皆の箸も止まってきたし、出すなら今しかない。
『あ、あの、皆さん!ケーキ作って来たので是非食べてください!』
「「おぉーーー!!」」
ケーキの種類は、誰も食べないであろうショートケーキと、一番量の多いチーズケーキ。あとはパウンドケーキ。全部お店ものより一回り小さいけど、想いは込めた。折角作ったショートケーキは、失敗作ゆえ、こっそり私が美味しく頂く予定だ。作りなれていないこともあり、一番形作ることが難しくて、時間がかかった。一応奥の奥に隠しているから、誰も見つけられないはずだ。
『三年生の皆さんから、よろしければどうぞ』
「おう、サンキュー」
「わざわざ、ありがとな」
先輩方は次々と取っていってくれている。チーズケーキとか、パウンドケーキが半々の割合でなくなっていく。
『次は二年せ………』
「うおぉぉぉおおおぉ!これ全部名前ちゃんが作ったのか!?」
「すげぇ、旨そうだぁぁぁ!」
『はいぃぃぃ!そうですぅぅぅ!』
「無駄に張り合うな、アホ」
影山君、アホとは失礼な!二年生の皆さんも無事に取って貰ったところでいよいよ一年生の順番がきた。
『最後になっちゃったけど、どうぞ〜』
「俺、チーズケーキにする!」
翔陽君がルンルン鼻歌を歌いながらチーズケーキを取る。影山君はパウンドケーキで、残りの2人は?山口君はパウンドケーキを食べそうで、月島君はチーズケーキかな?
「俺はこれで」
予想通り、山口君はパウンドケーキ。じゃあ月島君は…?私は彼の指先をたどる。
「…これ」
『えぇ、ショートケーキ?』
「何?文句ある?」
『いえいえ滅相も御座いません!』
ただ意外だっただけです、なんて口に出したら怒るんだろうなぁ。誰が何を食べようと私がとやかくいう筋合いはない。
結局皆さんは"美味しい美味しい"と言ってくれて、完食してくれました。それに月島君のちょっと可愛いところも見ることができたし、今日はとても満足です。
皆さんの喜ぶ顔を見ることができるのなら、私はなんだってやらせていただきます!
(時間があったら、今度はスイートポテト作ってみよう!)