ある日の練習でのこと。
烏養コーチの周りに集まり、後日の音駒戦先発メンバーを知らされた。
そして、時は音駒戦前日。
今日は選手に烏野のユニフォームを配る日だ。クリーニングから帰ってきたばかりの、新品そのもののユニフォームが入ったダンボール箱を開ける。
初めて見る黒いユニフォームを、目を輝かせながら見る。私が着るわけではないけど、何かこう…、グゥワーって感じで嬉しい。どうやら、烏野は昔からずっとこの黒いユニフォームらしい。ということは、烏野高校排球部のOBの方が一目見ただけで、これは烏野のユニフォームだって分かるんだ。この前の青城高校での練習試合ではナンバリングだったけど、いよいよ本格的になってきた。
「ノヤさんだけオレンジ目立つ!!」
『西谷先輩だけオレンジ目立ちますね!!』
西谷先輩はいつ着たのか分からないが、ちゃっかりオレンジのユニフォームを着ている。一人だけ色が違うとその分目立つ。黒の中にポツンとオレンジが紛れている。色は違うがまるでスイミーのようだ。これは、カッコいい!!さすがリベロ。なんかとても特別感があってすごい。
「そりゃ俺は主役だからな!主役!」
「『おぉぉお!」』
「(しっかし本当こいつら似てるよな…)」
主役って…、主役って西谷先輩にピッタリ!彼の存在感は烏野高校の中でも随一だ。
「リベロは試合中何回もコートを出入りするから、わかりやすいように一人だけ違うんだよ。バカ」
「し、知ってるし!全部知ってるし」
『そうだったんだね!リベロってすっごくかっこいいよなぁ』
影山君が呆れた顔で教えてくれた。うん、私ってまだバレーのことなにも知らないんだなぁ。もし、私がバレーをやってたとしたら、多分リベロになっていただろう。翔陽君みたいに強靱な体力があるわけでもないし、影山君みたいに天才じゃないし。身長的にもリベロが一番しっくりくる。
「おう!そうかそうか、やっぱり名前はリベロの真の魅力に気づいてるんだな!」
『厳密に言えば、リベロをやっている西谷先輩がカッコいいと思います!』
西谷先輩が笑顔で両肩をポンポン叩いてきたので、私も笑顔で西谷先輩の魅力について語る。
「りゅ、龍ーー!お前が言ってたこと分かる気がするぞぉぉぉ!」
「だろだろ!?やっぱり天使だ…。俺らの天使がここにいるっ!!」
すると急に西谷先輩が叫び出して、どうしたものかと思った。そこへ共鳴し始めた田中先輩と二人で盛り上がっている。本当に二人は息ぴったりだなぁ。
(相変わらず苗字はおだて上手だな)
(田中と西谷と日向にはいい薬かもな)