わしゃわしゃしてくれた黒尾さんと別れて、みんなの元へ帰ってきた。
「名前ちゃん!あっちのトサカヘッドに何にもされてないよなぁ!」
『頭を撫でてくれました!』
「それは良か……、って良くねぇぇぇ!」
「田中ウルサイ」
田中先輩が興奮気味に詰めよってくる。それを諫めるように注意をする菅原先輩の一言で、少し静かになった。
田中先輩の言うトサカヘッドとは間違いなく黒尾さんのことである。確かに、髪の毛が逆立っておりトサカに見えなくもなかった。
さすがに初対面の人に撫でられるとは思っていなかったから、すごくびっくりしたけど、彼は慣れた手つきで、撫でるのがとても上手だった。
「名前ちゃん、あっちで烏養コーチが呼んでたよ」
潔子先輩がわざわざ私を呼びに来てくれた。潔子先輩ではなく私に用とは何事だろう。
『はい、今すぐ行きます。た、田中先輩。もし良ければまた今度、…頭を撫でてください!それでは』
贅沢とは分かってるけど、田中先輩に撫でられるのもまた今度の楽しみだ。私は言うだけ言って、その場を後にした。
「日に日にエンジェルに磨きがかかってる…。ノヤッさん…。これは大変な事態だ」
「龍…、俺も思う。だって…」
「「ちょー可愛いぃいい!!」」
「お前らもっと静かに出来ないのか!?」
興奮気味の二人を諫めるキャプテン。澤村をもってしても、二人のテンションは抑えられそうにない。ある意味厄介な二人である。そもそも女子とまともに話すことが少ない田中と西谷にとっては、懐いてくれている名前の存在はイレギュラーである。
「大地さんは思わないんすか!?名前ちゃんが可愛いって!」
「…その話は後でいいから、まず体育館に入るぞお前ら!」
「(まさか大地が照れてる…?まさかそんなハズはないよな)」
***
『お呼びですか?』
ちょっと小走りで、体育館の端で話していた武田先生と烏養コーチの元に駆け寄る。
「あぁ、きたか。実はな…あっちのチームが…____。」
『……はい?』
その衝撃的な内容に脳がついていけなくなってしまった。
なんと、あちらのチームにはマネージャーがいないから、スコア書きやドリンク配りなど少し手伝ってほしいというような内容でした。普通であれば、試合に出ていない部員がスコアやドリンク配りなどを行うらしいが、今回は少数精鋭での遠征だったため、雑用に割ける余分な人数はいないらしい。
構いません、構いませんよ。でも私なんかでいいんですか?潔子先輩が行った方が士気あがりませんか?いや寧ろ潔子先輩が音駒高校のほうに行ってしまったら烏野高校の士気が下がってしまうから当然のことか。
"…そんじゃまた後で"
さっき黒尾さんがそんな事言っていましたけど、まさかこうなることを分かってて言ったんじゃありませんよね。いや、それは考えすぎか。
お願いされたからには責任をもって遂行するしかない。
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ぷんぷん名物ご都合主義