ひよこが駆け巡る!





私は最近ヒヨコと呼ばれるのに慣れてしまっているところがある。

ヒヨコと呼ばれれば真っ先に反応してしまうし、何より最近自分でもヒヨコの自覚ができてきた。ヒヨコと呼ばれるのは嫌ではない。しかし、ヒヨコと呼ばれるようになった要因の一つは私の身長にあるのではないだろうか。

ただ、私の身長は高校女子の平均より少し小さいくらいで、そこまで小さいというわけではない。それなのに、高身長のバレー部に囲まれているためか、他より小さく見られてしまう。なんだか悔しい……!

というわけで私はこれから毎日牛乳を飲もうと思っています。今更遅いかもしれないし、本当に牛乳で身長が伸びるかは定かではないが、やらないことには始まらないと思い、取り敢えず実行中です。


『ん〜、おいひぃー』

取り敢えず弁当を食べている間に牛乳を飲む。元々牛乳を飲むことが好きな私は、ゴクゴクとあっさり一本飲んでしまった。……ん?いままでも牛乳を好き好んで飲んでいたのに、身長が伸びていないってことは、今牛乳を飲んでも意味がないってことでは!?完全に盲点だった。

じゃ、じゃあ、同じクラスで身長が大きい男子の食生活を見守ってみるとか。そうだな……、あ、影山君!いたじゃないか身近に。確か180cmは超えていたはずだ。バレー部の中で一番身長が大きいのは月島君だが、影山君はアサヒ先輩に次いで部内で3番目に大きい。これは高身長の秘訣を聞くしかない!

「何ジロジロ見てんだよ」
『気にせず食べてて』
「気になんだろーが、こんな近くで見られてたら!」
『じゃあ、どうやったら身長が伸びるか教えて〜』
「……はぁ?」

両手を合わせて影山君に頭を下げる。身長を伸ばすということは私にとっては切実な願いなのだ。せめて1�pだけでもいい、とにかく今の状況を打破したい。

「んなもん、よく食ってよく寝れば伸びる」
『な、なんてアバウト…!』
「つーか、別にお前はそんままでいいだろ」
『影山君……!』

今の言葉ジーンときた。そのままでいい?下唇を噛んで喜びを噛みしめる。影山君は嘘をつけない人だから、尚更言葉に信憑性が生まれてくる。そのままでいいなんて初めて言われた。

『ありがとう!自信が出てきた』
「?」
『私らしくが一番だよね』

身長が伸びなくても私は私だ。たとえ月島君にチビと言われてももう気にしない。そう思ってはみたものの、結局またチビッ子と言われてショックを受け、牛乳を飲む量が増えたことは言うまでもない。

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